#134 2020年12月 南極の氷山 |
||
オリンピックを楽しみに迎えた2020年が、コロナの影響でこれほど暗い年の瀬になるとは思ってもいませんでした。 とうとう収まることを知らずに年末を迎える今も、感染に対して注意をおこたることなく、少しでも明るい気持ちで2021年を迎えられますように! 南極の氷山12月2日のネットニュースで、とても大きな南極の氷山が、南極から大西洋に向かって漂っているということが配信されていました。 その大きさはおよそ長さ約150q×幅約50qという大きなサイズ! 今後の動きでは、大西洋の南端に位置するサウスジョージア島に衝突する懸念がされています。 (現在地は同島の南西約250qの海上)
と、この辺までが各ネットニュースに出ていた記事なのですが、この氷山も急にこの場所に現れたわけではないので、少し掘り下げて調べてみると、これから先の地球の事を思いやらないと、これからもっと大変なことになっていくな…と実感させられました。
サウスジョージア島イギリス領であるサウスジョージア島は、1675年にロンドンの商人アントニー・ロシェが見つけたと言われ、古地図では「ロシェ島」と呼ばれていました。 この島は、ゾウアザラシやオットセイ、オウサマペンギンの繁殖地で、位置する場所がちょうど南極大陸から赤道へと向かう潮流の中にあるため、常に氷山の漂流と隣り合わせに位置している宿命にあります。 過去には、2004年にA-38Bという氷山がサウスジョージア島の沖を漂流し、多くのアザラシの子どもやペンギンに被害を及ぼしました。 生態系への影響今回話題となっているA-68Aは、大きさこそ150q×50qと広大ですが、その厚さは200mほどと推定されています。 これらの生き物は海に住む魚が主食であるため、海へとたどり着くことができないと、餓死してしまう可能性が指摘されるだけでなく、サウスジョージア島がそれらの生き物の繁殖と子育ての地でもあるため、彼らの繁殖も危ぶまれます。 南極では、今年の2月(南半球では夏)に過去最高となる気温18度を記録しました。 でも悪い事ばかりではないかも…ペンギンたちにとっては災難となるかもしれないA-68Aのサウスジョージア島への接近ですが、見方を変えると一概に悪い事ばかりではないかも知れません。 というのは… 長い期間に氷山に閉じ込められていた大気中のチリやホコリは、氷が溶け始めたことで海に流れ出し、プランクトンの発生を促します。 |
||
|