#133 2020年11月 流行するウィルス |
少しだけ予想もしていましたが、やっぱり寒い時期になってきたら、またまたコロナの勢いが増してきたようです。 流行に対して緊張感のあった初期の頃と比べて、心に余裕というよりも油断が生まれがちにもなってきています。 流行するウィルス今年も残すところひと月あまりになりましたが、振り返ればこの一年は、すっかりコロナウィルス(COVID-19)に振り回された年でした。 しかしこの21世紀になっての時代で、いままで人類が積み重ねてきた歪みがあちらこちらで噴き出して来ているように思えてなりません。 もう10年以上続けてきたかわら版でも、今までにコロナの事をはじめ、ペスト、多剤耐性菌、エボラ出血熱など、ウィルスに関することを何回か取り上げてきました。
と… 最近、疑問に感じ始めています。 次はこれ? (カンジダ・アウリス)多剤耐性菌について最初にお話ししたのが、ちょうど10年前のかわら版で「帝京大学医学部付属病院で複数の抗生物質が効かない多剤耐性のアシネトバクター菌に46人の入院患者が感染した」という話でした。 次に、「インドで抗生物質が効かない多剤耐性菌が大変な問題になっている」とお話ししたのが2015年になります。 コロナウィルスについてはすでに知られていたウィルスではない、人類が初めて対面したウィルスだったので、まずは効果のある薬を見つける、あるいは開発しなければならないという意味で多剤耐性菌のような既知のウィルスよりも厄介である事は言うまでもありません。 現在ではコロナウィルスに効き目のありそうな薬剤が認可を待っている、または試験的な投与で効果をはかっているという状況です。 ところが、あらゆる薬剤に耐性をもったスーパー(超多剤)耐性菌のカンジダ・アウリスの感染が一部で拡大しているという話が伝わってきています。 つまり、知られたウィルスなのにコロナ同様に、さまざまな薬剤をもっても対策がないという厄介なウィルスになります。 このカンジダ・アウリスは、シーツやベッドの手すり、ドアや医療器具などに長時間生き続け、人の手に触れると感染が広がるため、コロナ患者が入院する病院の院内感染も危惧され、医療従事者の方々に大きな負担となっている(またはなりそうな)ことが懸念されています。 カンジダ菌カンジダ属(*)の菌は、舌や性器に白い斑点を作るということで、それほど大きな悪さをしない軽い症状の、わりと一般にもよく知られた感染症です。 ところが、2009年に初めて報告されたこのカンジダ・アウリスは40か国以上で確認され、感染者は数千人にのぼっていました。 そのため昨年アメリカの疫病対策センターでは、カンジダ・アウリスを「最大級の脅威」に位置付けました。 属とは生物学上の分類で、動物のヒョウを例にすると「食肉目」→「ネコ科」→「ヒョウ属」の「属」。同じ属にはトラやユキヒョウも入る。 ヒトの身体元々、人の身体には自力で治そうとする力があります。それは大抵のウィルスに対しては、高熱を出すことでウィルスを退治する働きです。 たとえば、インフルエンザにかかっても数日間の高熱を出すことでウイルスを撃退すると同時に、体内にウイルスに対しての抵抗力(免疫)を作ります。 今回、世界中を席巻しているコロナウイルスは未知のものであるゆえ、それに対して抵抗力を持った人がいません。 カンジダ・アウリスの場合も、現時点ではコロナ同様に効く薬剤が無くとも、いずれ開発されるだけの科学を人類は持っているはずです。 しかしコロナ以上に厄介なことは、「シーツやベッドの手すり、ドアや医療器具などに長時間生き続け、人の手に触れると感染が広がる」ということで、コロナ以上に厳重な予防策が必要になってきます。 地球の温暖化も影響?人が高熱を出すことで対抗できるウィルスですが、地球の温暖化傾向で、高温多湿な環境になじんできたウィルスが、人の出す高熱に対しても耐性ができてきているのではないかという説があります。 そうなると夏でもインフルエンザが流行することも考えられます。 |
|