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#121 2019年11月 歯科技工士さんのお仕事

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秋晴れの日が続くようになりました。 小春日和とは、この時期の春のような日和といいますが、暦の上ではもう「冬」。 気象庁の区分けでは12〜2月が冬ということで、旧暦よりも実感が伴いますね。 インフルエンザも流行の兆しです。 健康に一段と留意の季節になってきました。


あ痛たたた…

歳を重ねてくると、「若い時にもっとちゃんとやっておくんだった」と思うことに、お口の中のケアがあります。

虫歯が一本もないという方もいらっしゃいますが、老いも若きもかなりの人が虫歯、それから歯周病、はては入れ歯やインプラントなど、自分の歯ではない義歯の装着などで歯医者さんのお世話にならない人はいないというぐらい、私たちに「歯」は大事なものです。

そして歯に支障があると、モノの咀嚼(そしゃく=噛むこと)が十分にできず、胃腸に負担をかけたり、それが次の病気につながることにもなります。

「そんなことは分かってるんだけど…」 という方はたくさんいらっしゃると思っています。

本当は、痛くなった後で歯医者さんに行くより、日ごろのケアが大事なのですが、なかなかそれができないというのが現実です。

ですから、歯医者さんに通い、治療で済むなら虫歯を治療し、それでは間に合わない場合にはそこに「代わりの歯を被せ」たり、抜歯して「入れ歯」などに替えていくという治療が必要になることになります。


歯科技工士さんのお仕事

歯医者さんに行って虫歯の治療をする時に、薬を詰めるほかにも、様々な材質の詰め物や被せ物をして虫歯の再発を防ぐように治療が行なわれます。

この時に、ガムのようなもので口の中の型取りをして、後日に被せ物や別の歯を入れる治療が行なわれたりします。

歯医者さんのお仕事の一つはここまでで指示書を作り、ここから義歯(入れ歯)や差し歯、銀(金)歯などの製作や加工を行うのが「歯科技工士」さんのお仕事になります。

歯科技工士は国家試験に合格し、厚生労働大臣が免許を出す国家資格です。

お仕事の範囲はその製作や加工であって、これの装着前後の医療行為や診療を補助はできず、そこは歯医者さんのお仕事になります。


大変な仕事だなぁ…

口の中や顎の形は、人により千差万別なものなので、製作したものはすべてオーダーメイドの一品ものになるのは想像できます。

そして多くの人が経験があるかと思いますが、なかなか一回も削ったりすることなく「かみ合わせ」がぴったりということもありませんが、9割9分は「合っている」という精度で製作できるというのもすごい技術だなと感心(感動)します。

歯科技工士になるには、2〜4年の大学・短大・専門学校の養成期間を経て、国家試験に合格する必要があります。

ですから、国家試験に受かるまでの苦労も大変なものだと思いますが、その後もいわゆる職人芸ともいえる加工技術で日本中の人々の口の中の歯の一本一本を作り出していくという、果てしない世界の仕事だと思います。


でも大変っていうことは…

いまこの歯科技工士の世界で問題になっているのが、若年層の不足です。

少し古い統計ですが、3万5千名弱ぐらいの歯科技工士さんがいらっしゃる中で、45歳以上の方が50%を占め、逆に25歳以下(多くの人が2年の専門学校卒業後に就職=つまり就職5年以下)の人は数%(2000〜2500人ぐらい)しかいません。

別の統計によると、この25歳以下の人たちの離職率が80%という驚くべき数字なので、本来なら若年層が1万人近い数の人がいてもおかしくない数になるはずです。

この離職率の高さの一因となるのが、歯科技工士さんの絶対数が足りないために、「長時間」の勤務が必要になり、その割に「低賃金」であることが拍車をかけているとも言われています。


将来的には

このあと老人人口が増えていくことが懸念されると、より義歯やインプラントなどの需要が増して来るのは想像に難くありません。

その需要に対して、業界の人手不足が(一品もののオーダーメイドの)供給に間に合わないという問題の前には、コンピュータを使った3DのCADやCAMの技術を使ったIT技術も導入されてきているので多少なりとも軽減化はされてきています。

しかし最終的には医療行為の一端を担う業務になるので、「人(歯科技工士)」が責任をもって判断し、患者さんに満足いくように提供していかなければ、安心・安全な治療につながりません。

なにより一番は、「歯医者さんのお世話にならないこと」なのですが、現代病の一つでもあるお口のケアでは歯医者さんを訪ねて、ご自身の問題点を知っておくことになります。


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