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#120 2019年10月 やっぱり暑かった東京の夏

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先月に「台風15号が、思いがけず千葉県に…」と書いて、その復旧が終わりきらないうちに今度は台風19号が襲来し、東日本の広範な地域に15号を上回る大きな被害を残しました。
今回は道路や鉄道など、交通インフラへの被害も大きく、復旧にどれだけの時間が掛かるか予想がつきません。
今月はスポーツの秋にふさわしく、ラグビーワールドカップで日本が予選リーグを勝ち抜いたニュース、週末からプロ野球の日本シリーズが始まるニュースなど、けっこう旬のテーマがあった中で、今度は東京オリンピックのマラソン/競歩を札幌で行うかも知れないというIOCの意見が飛び込んできました。


やっぱり暑かった東京の夏

今年の夏も実感として連日35度を超える猛暑日が続いていたのですが、一方で「来年のオリンピックってこの暑さの中で本当にやるのだろうか…」と思っていました。

「オリンピックはアマチュアの祭典」と言われていたのも今は昔という風情で、多くのスポンサーが集まり、以前と比べるとだいぶ商業主義に振れてきた感があります。

それはそれで運営予算やエンターテイメントとしてのスポーツの発展には効果のあることで、そのために「どれだけ多くの人に(テレビを含めて)観戦してもらうか」というのも重要な要素になってきています。

1964年の東京オリンピックの開会式が10月10日であったことを思うと、約2カ月前倒しの8月に始めるのも、国内・国外の観戦者を誘客することや、夏休みにかかる時期で多くの人に見てもらえること、また交通規制なども敷きやすいなど、様々な理由があっての時期の決定だったと思われます。

以前の東京オリンピックの時と比較するのも、時代の変化を考えると仕方のないことかも知れませんが、10月に開会式を持ってくるのも宣伝効果や交通規制の点で難しいものがありますし、より多くの人に観戦してもらおうとすれば、夏休みにかかる時期というのは、意義のあることなのでしょう。

 

が、やっぱり今年の夏も昔より暑かったです!
人間の限界に挑戦する第一級のスポーツ選手たちが、今年の夏のような環境の下で果たして記録を打ち立てられるのか、特に持久力勝負でもあるマラソン/競歩などで、先日の夜間に行われたドーハの大会のように棄権する選手が続出するような事態を避けるために、札幌での開催というのは一つの選択肢かも知れません。


暑くなった日本の夏を思うと…

やはり先月から今月に話題となったのが、スウェーデンの16歳の少女、グレタ・トゥーンベリさんがとった地球温暖化への環境保護運動です。

地球温暖化については、すでに先進国や後進国といった国レベルでの対応策だけではなく、地球全体の問題として取り上げられ、60億人とも言われている地球に住む人々一人一人の問題となっています。

難しいことは、それが政治的な(国内外の駆け引きの)視点、経済的な(企業からの)視点、人々一人一人の主義や主張の視点などで、現実的には温暖化対策は遅々として進んでいないということです。

もちろん、いま早急に対策を講じても、来年に控えた真夏の東京でのオリンピックの時に気温が下がるとは思えませんし、札幌を代替地にすることは一つの対症療法であっても、温暖化根絶への根本的な治療ではありません。

しかし、炎天下での地球代表の各国の選手たちの肉体にかかる負担を思うと、いまできる数少ない対症療法も重要なことになってきます。


地球温暖化の兆候

世界気象機関(WMO)は、「温室効果ガスの影響で、世界の平均気温が過去5年間で観測史上最も暑くなるなど、地球温暖化の兆候やその影響が加速している」と発表し、2011年から2015年の5年間に比べて、その後の2019年までの間に大気中に排出された二酸化炭素は、2割上昇しているといいます。
その二酸化炭素より温室効果がはるかに高いのがメタンガスといわれます。
 昨今話題になっているのが、牛などの複数の胃をもつ反芻動物(はんすうどうぶつ)の排出するゲップに含まれるメタンガスの影響です。 交配によるメタンガスの排出が少い牛の研究も進んでいますが、しかし肉のない食生活は現実的ではありません。

また、火力発電所や航空機が排出する二酸化炭素の温室効果も計り知れないものがあり、地球の大気をむしばむ大きな要因となっています。

ベルリンの壁崩壊までの政治体制に起因する「東西冷戦」、その後の経済成長に起因する「南北冷戦」と、いずれも国家の成長をめざす裏側で温室効果ガス排出を余儀なくされて地球温暖化を促進してきました。

グレタさんの運動をきっかけとして世代間でいがみあう「上下冷戦」とならずに、彼女たちの時代に「住みやすい地球」となっていることを願うばかりです。


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