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#143 2021年9月 日本の観光バス大集合

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今年は、これを異常気象と言っていいのか、正常な気候の変化だと言っていいのか分かりませんが、9月になって急に秋めいてきました。
ここ何年も、真夏のような暑さが10月になっても続いていたことを思うと、涼しさに有り難さを感じる反面、なんだか逆に居住まいの悪い変な気持ちになってきます。


オリパラが終わって

開催自体がコロナ(COVID-19)の影響で危ぶまれたオリンピックとパラリンピックですが、基本的に無観客でどうにか無事に終わりを迎えることができました。
活躍する選手の姿はテレビで見ることもでき、また様々な記録も生まれ、オリンピックとパラリンピックの長い歴史の中に、2020年の東京オリンピックが残されたのは喜ばしいことと言えましょう。

その後に菅首相の辞任の発表があり、「日本でのオリンピック開催年には首相が退任する」というジンクスが続いているのは、歴史の不思議と言えるかも知れません。
(1964年:池田勇人首相、1972年:佐藤栄作首相、1998年:橋本龍太郎首相が辞任、そして2021年…)


オリパラはやっぱり日常と違う

「ああ、いつもとは違うんだな」と思った最たるものは、やはり日常とは違うテレビ番組の構成でした。
ただ、この期間はそうなるであろうということが予測されていたので、ある程度許容できるものでしたが、でもビデオに残そうと思っていた番組が番組変更で別の時間帯になっていたのには閉口しましたが…。

それからコロナ禍ということもあり、サッカーやラグビーのワールドカップの時のように、飲食店で大騒ぎになるということも少なかったと思います。

また、オンライン/在宅での仕事が増えたために家で過ごす時間が多くなり、その分普段は家にいない時間帯にオリパラを視聴観戦する時間が増えたこともこれまでの日常と違うことかも知れません。

そして、熱くなっていたのはスポーツ観戦だけではなく、一部のマニアの方にはまたとない絶好の機会も与えてくれました。


マニアの視点

乗り物というのは、人がそれが趣味嗜好の対象とするのに絶好のもので、「XXマニア」と呼ばれる人たちが必ずいます。
「鉄道マニア」が(最近ではその振る舞いが問題視されることも多いのですが)耳にすることも多く、羽田空港近くの城南島などにいくと、「飛行機マニア」の人もたくさんいらっしゃいます。
また、同じ飛行機マニアでも、米軍や自衛隊基地の近くでは軍用機を対象にされる方もいらっしゃいます。

特にその中で「普段とはちがう変わり種の型(色)」を見つけた時は、「儲けものを拾った!」という気持ちになるのも、分かる気がします。

 

その中も今回のオリパラの期間中に、「おぉ!」と思ったことは、東京に日本中の観光バスが集まっていたことです。

この期間中は、スタッフ・選手の送迎用に各地から観光バスが東京に集められたため、一躍バスマニアの注目を集めました。

 

どういうことかというと…

飛行機は、たとえば羽田から札幌に飛ぶことで、おなじ機種やカラーを全国で見ることができます。
鉄道は、私鉄はその地域、JRも分割されたために以前よりはエリアに限定された型やカラーになりましたが、湘南ラインで言えば栃木から静岡の範囲で見ることができます。*

* 都道府県条例によって、車体の広告ラッピングがNGな地域では見ることができません(例:コカ・コーラカラー等)

 

バス(観光バス)も、同じ理屈なら道路がつながっている限り、どこでも見ることが出来そうですが、いろいろな制約があって現実的には実は難しいのです。

九州(福岡)から東京を例にすると、この間の距離が約1000kmあります。

そこを一人の運転手で運転を続けることは難しいですし、また労働基準法などの制約もあります。
それに加え、各バス会社には「営業エリア」の問題があって、現実的にはそちらの方が東京で九州のバスを見ることができない理由になります。
これは、バス会社のある県(福岡県)を「出発する」か「到着する」ということが営業上(営業エリア)の制約である理由からです。
ですから、福岡の高校が東京へバスを使って修学旅行に行くという場合に、(乗務員2名体制で)バスで東京に向かうことはできます。
3泊の旅程の中で、東京の地理は不案内なので東京のバス会社を使い、帰りもバスで帰るとなると、営業エリアの問題で東京のバス会社を使うか、カラで九州のバス会社を呼ばないとなりません。
現実的に、東京のバス会社なら片道はカラで戻ってこないとならないか、九州のバス会社なら行きの帰り(福岡に戻る)と帰りのお迎え(東京行き)と、カラ荷で燃料と高速の料金や人件費を払うために相当な割高になります。(もっとも現実は新幹線や飛行機を使うはずですが、ここでは例として…)

ですから、普段東京で見ることができる観光バスというのは、おおざっぱに言うとせいぜい東京近郊の長野、静岡、福島、新潟あたりのカラーの観光バスまでということになります。


でも今回は!

しかし、今回は大人数のオリパラの選手やスタッフを送迎するには、東京の観光バス会社だけでは足りません。
そのためにその営業エリアの枠(制約条件)を外して、各地から観光バスが集められ、東京湾の若洲(ゲートブリッジの近く)を拠点に人員の輸送が行われました。
さすがマニアの地獄耳と言うのでしょうか、その情報で江東区の若洲にはカメラを持った人たちが多くいらっしゃったと聞きます。
もちろん敷地の中には入れないでの、出入りする車両をカメラに収めるためです。

 

普段なら、交通費をかけて写真を撮りに行かなくてはならない遠方の車両も、いわばこれも「日常とは違った」風景として、思わぬ恩恵にあずかることができたと言えましょう。

普段並ぶことがほぼない、東北と九州の観光バスのツーショットなど、マニアの方たちにとっては、忘れ得ぬ思い出になったことでしょう。


※ WEB版での追記

   現時点で特になし


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