#124 2020年2月 COVID-19 |
COVID-19COVID-19 というよりも、「新型コロナウイルス(または省略して新型コロナ)」という呼び方が、日本では各種報道でも定着して使われていますが、正式な名称が表題のように「COVID-19」とWHOで2月11日に決まりました。 過去にも同じように流行した「SARS(さーず)」や「MERS(まーず)」のような、言いやすい名前に比べるとちょっと言いにくい気もしますが「COVID-19(こびっど・ないんてぃーん)」と呼び、新型コロナからコビッド(コヴィッド)とこれから呼ばれることになるかもしれません。
コビッドの由来としては、 それに、発生した年の(20)19 年がつけられています。
このような病気には命名規則があって、病気の症状などを表す普遍的な単語を含むのは当然として、逆に地名や人、動物に関連した言葉は使えないという制約もあります。 たとえば、「武漢肺炎」や「中国肺炎19」という方が「ああ、あれか」と分かりやすいのですが、一つの差別を生むことになりかねません。 また、1968年に香港で発生し、翌年に世界中に流行したインフルエンザには「香港風邪」という名前が付けられましたが、それによって「香港に行ってはならない」「香港の人と接触してはならない」と病気ではなく香港そのものが害の元のようになると、経済、観光への打撃や香港の人そのものに対して差別が発生してしまいます。 今回のCOVID-19も同様に懸念されることは、「武漢にいました」「中国から来ました」という、日本人、中国人を問わず帰国、来日した人に対して、差別的な待遇や接触がなされないかということです。 もちろん罹患している人との接触は、現状でCOVID-19の症状や治療法が完全に分かってないので、控えるのは言うまでもありません。 厚生労働省WEBよりhttps://www.mhlw.go.jp/簡単に抜粋しておきます。( 2020年2月13日時点のものです)
コロナウイルスは発熱や呼吸器に異常を引き起こすウイルスで重症化傾向がある
COVID-19はヒトからヒトへ感染する
動物(ペット)からは感染しないが、他にも感染症もあるので、動物に触れた後は普段から手洗いなどを行なう
感染のしやすさはインフルエンザと同等という研究報告があるが、現時点では確かなことはわかっていない
症状がないウイルス保持者からの感染もあるが、確かなことはまだわかっていない
潜伏期間は12.5日とされているが、他のコロナウイルス(SARS/MARSなど)の情報から14日が推奨される
飛沫感染(くしゃみ・咳・つば等)と接触感染の2つが考えられる 感染者がくしゃみや咳を押さえた手で周りのものに触るとウイルスが付くので、他者がそこに触り、その手で自分の口や鼻を触って粘膜から感染することが考えられる
予防として注意すべきこと 石鹸やアルコール消毒での手洗いの励行 接触感染の観点から、咳エチケットを心がけ、人ごみを避けるなど一層注意する 過去14日以内に湖北省・浙江省に渡航歴のある人、あるいはこれらの人と接触した人で、咳や発熱などの症状が出たら、マスク着用で事前に保健所へ連絡したうえで、医療機関で受診する
濃厚接触とは、2mぐらいの近距離で対面で会話したり接触したことをいう この他にも、診断の仕方や妊娠中・子どものいる保護者向けの情報、高齢者や家族向けの情報が、厚生労働省のWEBに詳しくあります。 → 【厚生労働省】 のWEBサイトから のりんくにある をご覧ください。 まずは、マスクや手洗い、人ごみは避けるといった自衛手段を心がけてください。 【WEB版の追記/2020.02.15】 このページに記載していることは2020年2月15日時点での厚生労働省からの情報です。 情報は日々更新されています。 また数か月か数年後に事態が収束するようですと、厚生労働省のWEBから削除またはリンク先が変更されている場合もあります。 その点はご注意ください。
流行が始まってから、個人的には話のポイントというか、報道を聞く側の感情の変化が気になっています。 当初は、「湖北省/武漢で「肺炎」が流行っている」ということで、2019年12月に始まった報道なのですが、次第に武漢を中心に罹患者、またそれによる死者が増え続け、それが「ウイルスによるものであるらしい」「中国全土に広がる恐れがある」などと報道され始め、民族大移動ともいえる中国の新年(Chinese New Year)が2020年は1月24日から始まることで、「世界的に拡大する恐れがあるのではないか」と心配されました。 各国政府もこの問題を深刻にとらえ、入国制限や中国への渡航制限を行ない、警戒を続けています。 一方で、横浜大黒埠頭沖には豪華客船のダイヤモンドプリンセス(乗客・乗員約3700名)で「香港で下船した香港人の乗客から感染が見つかった」ということで、14日間を目安に下船を許可されずにいます。 当初の船内の映像を見ると、感染者が発生したという状況の下で、乗客の皆さんがほぼ自由な形で船内を歩き回っている姿が映されていました。 その後に潜伏期間を経た感染者が増え始め、2月14日に感染が確認されなかった高齢者を中心に下船が始まりましたが、まだ船内には3400名ほどの人が残されています。 現在では部屋から出てはならない、いわば軟禁ともいえる状態で過ごされていますが、精神的/肉体的なストレスは相当なものだと思われます。 また、神奈川県では中国への渡航歴のない高齢の女性が罹患してお亡くなりになりました。 1月に発熱の兆候があり、その後に3カ所の病院を移られたそうですが、いずれでも「渡航歴がない」ことから単純な肺炎と診断され、亡くなった後の検査でCOVID-19に罹患していたことが分かったようです。 ただし、事前に検査ができなかったのかというと、その「渡航歴がない」ということで、検査の対象にされなかったという矛盾した出来事もあったようです。 また、検査キットが不足しており、一日に現状では1100人しかできないことも、検査対象を絞らざるを得ないという事情もあります。(3月末までには検査キットは出揃うという情報です)
現状では、日増しに深刻な度合いが深まっているようで、率直な言い方をすれば、「インフルエンザと同じような感染力で広がりつつある」と言えるかも知れません。 特効薬がまだ確定していないことと、一日に検査できる数が限られていること、またどれだけの人が行き来をしているのか、世界が狭くなった現代では難しいことが山積していると言えましょう。
報道を聞く側の感情の変化で言えば、憎むべきは病気の元となるCOVID-19であるはずなのに、一部の心無い人からは、「中国人が多過ぎる」「中国人来るな!」という、本末転倒な言葉も出始めてきています。 来日あるいは帰国した人がたまたま感染していた、そこから二次感染が起きたとしても、もちろん自身の身体に気をつけておくべきことはもちろんですが、その人に感染を広めたというような、一種の罪人感情はやはり釈然としないものが私的には残っているというのが、正直な感想です。 |
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