すっかり梅雨の季節になってきました。
この原稿を書いている6月15日、一連の不祥事から舛添東京都知事が辞任を発表しました。
7月末から8月初旬に選挙になりそうですが、次の東京都知事が4年の任期を満了した時には、その選挙は東京オリンピックの真っ最中!
オリンピック開催地の期間中の知事交代にでもなれば、前代未聞かもしれません。
そんな時だからこそ…
上を向いて歩こう… か
「上を向いて歩こう」と普通に喋ってみても、なぜか誰でもメロディーをつけて口ずさんでしまうほど、ある意味日本人のDNAにしみついた歌がありますね。
1961年10月15日に坂本九さんが歌う「上を向いて歩こう」が発売されると、11月から翌62年1月までの3か月間にわたり、レコード売上bPを記録するほどの大ヒットとなりました。
もっとも当時の日本には正確に売り上げ枚数を数える機関がなかったため、果たして何万枚売れたのかは分かっていません。
その後に「上を向いて歩こう」は「スキヤキ(SUKIYAKI)」という題名で全米トップになるのですが、それまでにはいくつものエピソードがあるようです。
最初はヨーロッパから
契約の話で来日していたイギリスのレコード会社の社長が、音楽関係者からもらった数枚のレコード。
その中で大変気に入った一枚がこの「上を向いて歩こう」で、自国のジャズ奏者のレパートリーに入れて発売したのが、海外での最初のリリースだったようです。
原題を直訳するとタイトルとして長い英語になるということから、その社長が知っていた数少ない日本語、そして印象に残った日本の食べ物から「スキヤキ(SUKIYAKI)」と名付けられ、トランペットのジャズにアレンジされたこの曲は、そこそこ全英のヒット(10位ぐらい)にはなりましたが、爆発的なヒットというわけではなかったようです。
アメリカにも伝えられたこの英語版SUKIYAKIも、せいぜい100位ぐらいにしかヒットしなかったようですが、この英語版ではなく日本語で坂本九さんが歌ったオリジナル版をワシントン州のラジオ局が流したことから一変します。
ワシントン州といえばシアトルのあるところで、首都ワシントンやニューヨーク(大西洋岸)から見ると、反対側の太平洋に面したかなり距離の遠い辺境の場所とも言えますね。
全米1!
アメリカには有名な「ビルボード」、それから「キャッシュボックス」というヒットチャートがありますが、その両方でアメリカで爆発的なヒットを続けた坂本九さんの「SUKIYAKI(邦題:上を向いて歩こう)」は日本語のまま、1に躍り出ます。
この全米1になったということは、実は非常に偉大な事で、この「SUKIYAKI」はその年は最終的に年間売り上げで13位となる100万枚以上の売り上げを記録したため、全米レコード協会の「ゴールドディスク(当時は100万枚以上)」も受賞します。
日本を含むアジア圏の歌手で全米1を記録したのは、後にも先にもこの53年間で「SUKIYAKI」だけであり、いまや音楽の販売がインターネットに移行しようという時代では、唯一の記録になるかも知れませんね。
その次に全米HOT100(100位以内)に日本人歌手がランクインするのは1979年の「ピンクレディ(
Kiss in the dark )」の37位まで待たなければなりません。
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