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#127 2020年5月 鶏肉は洗ってる?

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コロナウィルスの蔓延が収まりません。

年末年始の頃から徐々に、そして2月から3月にかけて爆発的に日本全国に広まりました。
予防できるのかと言えば、せいぜい出かける時にマスクをすることと手洗いの励行ぐらい。
どこでうつされるのか、分からないということも心配とストレスを助長します。


鶏肉は洗ってる?

インターネット(Google)で「鶏肉 洗う」というので検索すると、去年あたりから「鶏肉を洗うのはNG(ダメ、よくない)」という項目が上位に見つかります。

この「鶏肉を洗う」ということが気になったのは、ちょっと前にテレビの特番の中で、とある中学校で集団食中毒が発生したというのを見てからでした。

番組の中でその原因を探ってみると、食中毒が発生したその日は板前さんが来ての調理実習があり、カツオのタタキと鶏肉を使った料理を作って食べるという授業があった日でした。
調理前には、ヌルヌルや皮、脂、血合いを取るために鶏肉を洗って用意し、カツオは刺身にするために水道と隣り合った調理台に置いておきました。

もちろん「え、洗ったりしない」という方もいらっしゃるでしょうし、「普通、洗うよね」ということで、鶏肉を洗う/洗わないというのは多分に習慣的なこともあり、各々のご家庭による事情で異なると思います。

何人かの人に聞いたところ、やはりヌルヌルした皮や血のりがいやだということで、洗う人と洗わない人はほぼ半々な感じでした。

体の小さな動物の食肉は?

実は、健康であっても体の小さな鶏には、大腸菌などの雑菌が付着している可能性が高いということを知っておかなければなりません。

しかし、この細菌自体は調理の時に適当な温度まで過熱することで死滅するため、実際に食べる時にはまったく気にする必要はありません。
この「適当な温度」というのは、おおむね75℃ぐらいの過熱なので、焼くだけでなく通常の煮炊きでも雑菌は死滅します。
また鶏肉料理では、火を通さないで生食をするということはまず考えられないので、いままでの調理方法で問題はないと言えます。

(ただし、加熱処理されていない「鶏肉の刺身」や「鶏の生レバー」などに注意が必要なのはいうまでもありません!)


ではなぜ食中毒に?

それでは、その中学校ではなぜ食中毒が発生したのでしょう?

これは生の鶏肉をシンクで洗った時に飛び散った水と一緒に、雑菌を飛び散らかしてしまったのが原因になります。

その雑菌が刺身にする前のカツオに付着し、そのまま刺身で食べたために、雑菌(たしかカンピロバクターだったかと思います)が体内に入って、下痢や嘔吐を招いたようです。

害のない菌を付着させた鶏肉を同じように洗うのを特殊なカメラで撮影した映像では、けっこう広範囲(1m四方ぐらい)に洗った(菌を含んだ)水が飛んでいました。

普段の皿洗いなどでシンク周りに飛んだ水を思い出すと、けっこうあちこちに飛んでいますよね。

そこにサラダに使うレタスやトマトなどの食材があれば、そこに菌が付着する可能性もあります。

このように、汚染度の高いものから汚染度の低いものに菌が接触して起こるのを「交差汚染」といいます。


交差汚染を防ぐには?

もう一度確認しておくと、鶏肉は決して危険な食材ではありません

ただ雑菌が付着している可能性が高いので、調理の時に過熱することでそれらの菌を死滅させて食さなければならないということです。

この交差汚染を防ぐために、気をつけないとならないことがいくつかあります。

鶏肉を洗わないようにする

鶏肉に限らず生肉を切った包丁やまな板は洗剤で洗って次の調理に使う
(肉を切ってすぐに野菜を切っては交差汚染を起こします)

とはいえ、ヌルヌルや皮、脂、血合いが気になる方もいらっしゃるでしょうから、それらについては

キッチンペーパーでふき取る

皮はキッチンペーパーでつまんではがす

血や黄色い脂の部分は包丁で切り取る

(もちろんその後の包丁は洗ってください)

といったように、シンクで洗うことは避けるべきだと言えます。

しかし、習慣的に洗わないと気持ち悪いという方は、洗った後のシンク周りを十分に洗浄(拭き取り)をしないと、交差汚染を起こす可能性については、つねに頭に置いておいておくべきと言えます。

諸外国の衛生局の資料では、「鶏肉は洗わないように」という指導が多く見うけられます。


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