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#125 2020年3月 とにかく予防(COVID-19)

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先月は、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号で新型コロナウィルスの感染者が出ているということがニュースの中心でしたが、あれからわずか一か月の間に、国内での死亡者と感染の蔓延が顕著になってきてしまいました。

様々なイベントの中止や延期、あるいは大相撲のように人が集まることを避けるために無観客での開催など、すっかり明かりが消えてしまったようです。

そしてこのコロナウィルスの問題が単に健康上のことだけに止まらず、世界中の経済に甚大な影響が出てきています。

このかわら版を書いている「今日」と「明日」で様相が一変していることもあるので、もしかしたら「いまさら何を言ってるんだ…」ということもあるかも知れません。


一か月前は?

一か月前を思い出してみると、「ダイヤモンド・プリンセスに乗船している人たちは大変だな…」、「中国に赴任している人は大変だな…」と、まだどこか他人事のように話をとらえていたところもあったと思います。

ダイヤモンド・プリンセスもやっと下船が始まろうという時で、その後に感染が分かった人も数多く出てきました。

現在では、最初に感染者が見つかった中国はもとより、感染者が多発しているのは、イタリア、イラン、韓国があがります。

人口比でいけば、イタリアの発生状況が突出しており、そのイタリアと韓国は急激に感染者が増えた印象があります。

日本は平気なのかといえば、クルーズ船の感染者を別にするとまだ1000人には達していないということでは、比較的少ない方と言えなくもないのですが、それでも気を緩めるわけにはいきません。

「他人にうつさないようにする」また「他人からうつされないようにする」という予防観念が強い国民性もあるのか、マスクをしている人がたくさんいらっしゃいます。

ただ、マスクの使用では「他人にうつさないようにする」ということでは効果があるようですが、「他人からうつされないようにする」ということでは、高い効果はないという報告もあります。
念を入れるなら、使い捨てマスクの下にガーゼを折って入れるという方法も提唱されています。

そのマスクも転売目的などで品薄になり、まだ十分に供給されていない状況のもと、手作りのマスクをされている方もいらっしゃいます。

さらに花粉症の流行るこの季節に、「マスクが必需品」という方には、まさに弱り目に祟り目ということが心配されます。


とにかく予防

「不要不急の外出は控えましょう」 と言われても、現実には難しいことです。

学校については3月になって休校となりましたが、多くの大人は通勤電車に揺られ、都心の勤め先に向かうことでしょうし、外出しなくとも商店の方は、お客様と対面で話をする機会があります。

濃厚接触が2m圏内での対面の会話や接触とされているので、それを避けるのにも、仕事や付き合いでの関係では「距離をおいていること」は失礼になるのではないか、という懸念も生まれます。

まずは「自分でできること」を念頭に、予防に徹することが大事だと思います。

それには結局、マスクをして少しでも、あるいは多くの人が触れるような取っ手や手すりに触ったら手を洗うということぐらいしか思いつきません。

厄介なのは、感染してからどうも潜伏期間のようなものがあるようで、本人に感染の自覚が出てきたときには、何か所か出かけていて知らず知らずのうちに感染の下地を作ってしまっていることもあることです。

 

先日、銀行のATMに用があり画面操作のためにタッチしたあと、「あっ」と思ったのは…。

お分かりと思いますが、そのあとはやはり手洗いをしないとなりません。
あるいは、除菌液が備え付けてあれば使えばいいのですが、無いことも多いので、携帯できる除菌液を用意した方がいいと思います。

もっともこれらの予防は、インフルエンザの時と同じようなものですが、より更に気を使って予防対策を考えるべきでしょう。

 

こうしたウィルス性の病気は、寒い乾燥した時期に往々にして流行る傾向にありますが、この時期にかかってしまったため、卒業式や行楽、旅行などに大きな影響が出てしまったことは残念なことです。

とりわけ残り少ない日々を友だちと過ごして、そして卒業式へと思っていた子どもたちには、心残りなことになってしまいました。

さらに経済活動に出始めた影響では、旅館・ホテルのキャンセル、観光バスの運転手さんの解雇、急激な株安、円高…。

 

今月は別のテーマで用意していた原稿が来月回しになりました。
果たして来月にそれを使えるのかどうか、コロナウィルスの感染状況によっては、来月もこの話題を続けることになるかもしれません。

東日本大震災の時のかわら版のように、同じ話題を続けないとならないのは、気持ち的につらいことです。


【WEB版の追記/2020.03.17】

未確定な報道ですが、COVID-19(新型コロナウィルス)に「アビガン®」錠が効果があるという報告が中国から発信されました。

アビガン®…。覚えていますか?

ちょうど5年前の2015年3月に「富山化学という会社」でこのコラムのテーマにしました。

あの時は、インフルエンザの薬として開発していたものの時流に乗りきれず、その後にエボラ出血熱に効果があるということで注目された薬です。

詳しくは #071 2015年3月 富山化学という会社 をご覧ください。

【WEB版の追記/2020.03.16】

先月に続いてもう一度厚生労働省のURLを掲載しておきます。
診断の仕方や妊娠中・子どものいる保護者向けの情報、高齢者や家族向けの情報が、厚生労働省のWEBに詳しくあります。

 

厚生労働省WEBより

https://www.mhlw.go.jp/

→ 【厚生労働省】のWEBサイトから

→ 【新型コロナウイルス感染症について、こちらをご覧ください】のりんくにある

→ 【一般の方向けQ&A】をご覧ください。

まずは、マスクや手洗い、人ごみは避けるといった自衛手段を心がけてください。


感染者の数は日増しに増えてきて、WHO(世界保健機構)はパンデミック(世界的流行)を宣言しました。

最初はアジア方面での流行かと思っていたら、ヨーロッパ、特にイタリア北部で爆発的に感染患者(罹患者)と死者が増えています。

また、韓国でも教会に集まった人たちの間で、こちらも急激に感染者が増えました。

 

エボラ出血熱やSARSなど、あるいはインフルエンザと違うのは特効薬がまだ見つかっていないことです。

また、年少者、成人、老人、高齢者のうち、特に高齢者の致死率が高く、また空気感染こそしないものの、近い距離での会話や接触で感染の可能性があります。

それと感染力が強いのか、

感染者が咳をする →

ふさいだ手にウィルスが付着する →

その手で xxx を触る → (xxx は「手すり」「エレベーターのボタン」「つり革」など)

そこを非感染者が触る →

なにかの拍子にそこから体内に入る…

「なにかの拍子」とは、たとえばその手を十分に洗わず(*)に食事をするなどで口から、また口以外の粘膜からうつると思われます。

(*)手洗いは石鹸で手首まで15秒程度洗うことが推奨されています

 

それから鍋料理やお箸の共用なども気をつけないと、感染の可能性が高まります。

 

さらに厄介なのは、

感染してから発病までに個人差(年令差?)があること、

最初が風邪と同じような症状なので気づきにくいこと、

現時点で検査体制が整いきっていないため検査に手間取ること、

などがあげられます。

 

いま深刻になってきたことは、このウィルス禍が世界経済に影響を与えてきたことです。

中国が世界の工場と言われて久しいのですが、中国からの部品供給や製品供給が滞り、日本はもとより世界中で経済活動が停滞してきています。

そのために世界中の株式市場で株価が乱高下しています。

また世界中で感染者が出たために、国家間の人の行き来に制約が出始め、入国制限や出国制限、また緊急事態宣言で、航空業界や旅行業界では客不足で経営に行き詰まるところも出てきています。

 

もう一つ心配なことは…

先月も思ったことですが、感染者、その家族、友人、その人の会社、部署などの、いわゆる関連した人たちに対して、差別的な扱いをしてしまわないかということです。

もちろん、隔離したり入院させたり、またそういう人たち自身が出かけないように心がけたりすることは大事なことですが、特別な見方をしてしまうと、世の中が二つに割れてしまう芽をはらんでしまいます。

そのことを、一人一人が戒めておかないとならないと思っています。


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