Now Loading...

#025 2011年2月 桃の節句・端午の節句…

前の画面に戻る


桃の節句・端午の節句

女のお子さんやお孫さんのいる家庭では、雛祭りの準備もそろそろかと思います。

昔から女の子の「桃の節句」や男の子の「端午の節句」と言われてきましたが、この「節句」という言葉、実は「あぁ、あの時もそうなんだ!」という、季節の節目となる習慣で、一年に5回あるのをご存知ですか?

 

最初が 1月7日

これは七草粥を召し上がる、俗に「七草」といわれていますが、「人日(じんじつ)」とも言われます。

次に来るのが 3月3日 で「桃の節句」と言われますが、同様の言い方だと「上巳(じょうし・じょうみ)」とも言われます。

そして 5月5日 が「端午」の節句となるのですが、「桃の節句←→菖蒲の節句」で対をなすなら、「上巳←→端午」となるはずですが、言い易さで「桃の節句〜端午の節句」といつのまにか言うようになっているようです。

3月3日、5月5日とくれば、次の 7月7日 は言わずと知れた「七夕」。

「たなばた」と読んでしまいますが、同じ言い方なら「しちせき」となります。

草木で言うなら、竹や笹になりますね。

ということで、5つ目の節句は、 9月9日

これは一般に「菊の節句」として知られています。

正式には「重陽(ちょうよう)」といいます。

 

12月26日にクリスマスケーキや飾り付けが投売りされる(つまりその日を過ぎると一気に価値がなくなる)のと同じ意味で、古い言い方なら、「6日菖蒲の10日菊」。

節句の5月5日(菖蒲)、9月9日(菊)の節句が過ぎれば、価値がなくなるということですね。

 

1月1日は元旦であるので、1月だけは7日になったのでしょうが、その他は奇数月の同じ日。

昔は旧暦だったのですが、新暦になってから、3月3日、5月5日、7月7日は同じ曜日だってこと、ご存知でした?

個人的には上巳、端午に「巳」と「午」という文字が入っていることに興味があります。

2010年2月の「干支の話 ( #014 2010年2月 干支の話 )」をご覧いただきたいのですが、その干支に絡んだ二つの文字。

ただ、本来の方位と一致していないのが気になります。

機会があれば調べておきたいと思います。


雛祭り♪

当然のことながら、本来雛祭りは和暦(旧暦)の3月3日に行なわれていました(現在の4月上旬)。

その時期が桃の開花時期でもあるため、「桃の節句」と言われる由縁です。

 

雛祭りの習慣そのものは、平安時代の貴族社会でのママゴトとして「雛遊び」として行なわれていたようです。

子どもの遊びとはいえ、貴族の遊びなので本格的に小さな御所風の御殿を配して遊んでいたようですが、川に紙で作った人形を流す「流し雛」の習慣や、「上巳の節句 = 穢れ祓い(けがればらい)」の意味合いから、災厄除けの守り雛としてまつられるようになってきたようです。

 

しばらくは貴族の間での習慣でしたが、戦国時代(安土桃山時代)末から江戸時代にかけて、人形遊びと節句の厄払いが結びついて、「雛祭り」となりました。 飾り物としての一面と、女子一生の災厄を人形に身代わりにさせるという祭礼的な意味合いもあり、武家・公家社会の嫁入り道具の家財の一つとなってきて、華美で贅沢なものがもてはやされるようになっていきました。


♪♪ お内裏さ〜まとお雛さま〜

そもそもお内裏様(おだいりさま)とは、男雛と女雛の一対を意味します。

童謡の「うれしいひなまつり」で男雛を「お内裏様」、女雛を「お雛様」と歌ったことから一般化してしまったようです。

 

この男雛と女雛の配置が、関東雛と京雛では逆に置かれます。

写真は、男雛が(向かって)左に配置された、関東式の飾り付けです。

この置き方の歴史は意外に新しく、大正時代以降にこのようになったということです。

 

元来、中国(唐)や古来の日本では、「左」を上位とする慣わしであり、明治までは天皇は左、皇后が右にお立ちになっていました(向かって見た場合には天皇が右、皇后が左になります) 。

 

しかし文明開化で西洋化が進む中、その後の最初の即位式となった大正天皇はそれに倣い、立ち方を左から右(向かって左)に変えました。

東京(関東)では、この様式をいち早く取り入れ、雛人形の飾り方も、男雛を右側(向かって左側)に飾るようになりました(「現代式」)。

しかし、長い歴史のある京都を中心とする西日本では伝統を重んじて、男雛を左側(向かって右側)に飾ることが多い(「古式」)ようです。

 

昭和天皇は公式の場でも右(向かって左側)にしかお立ちになったことがないことから、この現代式、古式のいずれでも、雛人形の飾り方としては、現在では構わないものとされています。


五段、七段…、いぇいぇ間取りに合わせて!!

バブル期には8段以上の飾り付けもありましが、

段飾りまで含めた御殿を模しての全部の飾り方

御殿の内の一室を拝しての飾り方

屏風を用いて御座所の有り様を拝しての飾り方

の三種類に大別されます。

 

三人官女や五人囃、随臣、従者を「供揃い」といいますが、必ずしも飾り付けなくてはいけないというものではありません。

昨今の住宅事情からも、大きな段飾りでは部屋に収まらないことも多く、それよりも大切なのは、雛祭りに託してきた古人の思い…女子一生の災厄を人形に身代わりさせたという「守り雛」に託す気持ちですよね?

 

現代の暦での雛祭りは、二十四節気の「啓蟄」の時期。

暖かくなりはじめるこの時期に、長いこと雛人形を出したままにしておくと、カビや虫がわく原因になります

「婚期が遅れる」は迷信としても、早めにお片付けになられるのがよろしいかと思いますよ。


前の画面に戻る

BACK

MENU

FORWARD