例年よりも若干早かったかな?と思うペースで桜が満開となり、曜日の関係で東京では思うようにお花見を楽しめないままに、春の嵐で、あっという間に桜の季節が終わってしまいました。
「さぁこれから新シーズン♪」という時に、九州で、世間を覆すような大地震が起きました。
私たちは東北の地震に続いて、今また自然の力の怖さを思い知らされています。
第一報の直後
2016年4月14日の午後9時26分に、九州の熊本地方を中心に大きな地震が起きました。
スマホに登録してある防災速報からの一報で、すぐに熊本市内の友人にメールをしたところ、
午後9時29分:地震が止まらない こわい
午後9時35分:まだゆれてる とまらない
午後9時48分:まだゆれてるよ ひなんすべき?
午後9時51分:NHK見てたら恐怖 …
と、立て続けに返信が入り、現地ではかなり長い時間で地震が続いていた様子が分かります。
この友人に限って言えば、住んでいるところは熊本市北区というところになり、最初の地震でも比較的揺れなかった地域であったのは、後になって知りました。
地震というのは、たいていは最初にドカンときたのが本震で、のちに続くのが余震とされますが、これも後に分かるのですが、翌々日の午前1時25分に起きたマグニチュード7.3が本震であり、この最初の地震(本震の28時間前)のものは、本震の前震であったとされています。
現時点(2016年4月21日)で、最初の地震からちょうど一週間が終わろうとしていますが、熊本県と大分県で発生した地震では
震度7が2回、
震度6強が2回、
震度6弱が3回、
震度5強が3回、
震度5弱が7回、
震度4が74回、
と震度4以上を観測した地震は合わせて100回近くに達し、震度1以上の地震は700回を上回っています。
毎回混乱するので…
地震の報道というのは、いつも次のようにアナウンスされます。
「熊本地方を震源に、マグニチュード6.5の地震が発生しました。」
「各地の震度は… 益城町で震度7です。」
「震源の深さは11qです。」
これを聞いてすぐにピンとくるのは、「マグニチュードも震度も数字が大きいから、これは大きな地震だな」ということと、「深さが11qだと、ずいぶんと地表に近いな」ということで、だいたいのイメージをすることはできるので、なんとなく分かるのですが、マグニチュードとか震度、それから深さの関係が、(私の頭の中では)毎回混乱してしまっています。
そこで、今回はそれをちょっと整理してみました。
マグニチュードは「規模」、震度は「揺れの強さ」
文字で書いてしまうとそれだけなので、これを図にしてみます。
マグニチュードとは、地震そのものの威力と考えてください。
数字が小さければ花火の爆発力であり、大きくなるにつれて爆弾の爆発力になるような、「地震の強さ」になります。
マグニチュードは1違うと、32倍の強さになってきます。
この地震が、同じ震源地で同じ規模(マグニチュード)であっても、地表に近い深さで起きるのと、深い深さで起きるのとでは、地上での揺れ方が違ってきます。
また、この揺れの大きさというのは単純に距離の遠近だけではなく、その家屋が建っている場所の地盤の硬さや、今回も布田川・日奈久断層帯という名前で話題になった「断層」の有無にも左右されます。
この揺れ方の大きさが「震度」になります。
上の図でもお分かりのように、マグニチュードが大きくても、深さや距離が遠ければ揺れは小さく、逆にマグニチュードが小さくても、浅い深度や距離が近ければ大きな揺れになります。
ですから「震度」は、「現実的にどれぐらいの揺れたのか」という被害の大きさを示すことになります。
長周期地震動
東日本大震災を引き起こした2011年3月の大地震の時にも話題となったものに、「長周期地震動」というのがありました。
地震は波の形で地面を伝わってきます。
これが規模の大きい地震になると、周期の長いゆっくりした大きな揺れが生じますが、これを「長周期地震動」といいます。
また、各々の建物には個別に揺れやすい振動をもっており、これが一致すると共振という現象が起こり、建物は大きく揺れます。
短い竹ひごと長い竹ひごの先におもりをつけて振ると、長い竹ひごの方が大きく揺れ、かつ揺れの収まりにも時間がかかるのと、同じ理屈です。
マンションの高層階にお住まいの方は、発表の震度以上にこの長周期地震動にさらされる可能性が高まるため、より一層の注意が必要になってきます。
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