お彼岸の前後になると、急に春が近づいてきたような気分になります。
とりわけ今年は暖冬ということもあり、この号が届く頃には桜が開花しているかも知れません。
昼間はセーターを脱ぐような陽気でも、夜になるとダウンが欲しくなるような、寒暖の差が激しいこの時期。
周りでも風邪と花粉症を併発している人がいます。
お身体に注意してください!!
野球少年の夢の舞台
春の高校野球「選抜高等学校野球大会(春の甲子園)」の季節になってきました。
3年生は卒業したために、テレビ中継では「2年生」「3年生」となっている選手たちも本当はまだ進級前なので、昨年の夏の甲子園のチームとはちがう、実質は2年生中心の新チームで各校臨む甲子園球場ということになります。
ですからメンバーに大きな変更のない「春→夏の連覇」よりも、「夏→春の連覇」というのは、長い歴史の中でも4校しかないそうです。
最後にこの「夏→春」という連覇を成し遂げたのが、夏に畠山投手、春に水野投手を擁した徳島の池田高校でした。
のちに畠山投手は南海(現ソフトバンク)、水野投手は巨人へとそれぞれプロの道へと進みました。
ただ連覇といえば、ほとんど多くの方が桑田投手を擁して春夏5回連続出場という輝かしい歴史を持つ大阪のPL学園を思い出します。
実際に連覇を達成したのはその2年後の1987年で、この時のメンバーには、中日で活躍した立浪選手、日ハム/阪神で活躍した片岡選手など5人がプロに進んだ、強いチームでした。
現在はその野球部も廃部問題の渦中にあり、復活は難しいと言われていますが、今年大リーグに挑戦する、元広島の前田健太投手もPL学園の卒業生になります。
このように、PL学園からは多くの選手たちがプロの世界に進み、数々の記録を残してきた名選手、記録とは無縁でも記憶に残る名選手を数多く生み出しました。
一番記憶に残るのは…
もちろん、お一人ずつ違う選手を思い浮かべるとは思いますが、この「PL学園」という名前を、むしろプロに行ってから「PL出身」という形で全国に知らしめたのは、桑田投手ともう一人。
清原選手であったと、個人的には思っています。
あこがれ続けた巨人の指名を受けられず、西武に入団して2年目の日本シリーズの優勝決定寸前に一塁ベースで涙を流していた姿は、いまでも多くの人の印象に残っていると思いますし、何度でもあの映像を見たい思いにかられます。
しかし、しかし、しかし…!!
日本中の野球ファンが、一つの現実を断腸の思いで見なければならなくなりました。
覚せい剤ってなに?
2月2日にその清原選手が覚せい剤所持容疑(その後使用の容疑)で逮捕されてからの一連のことは、各種の報道でご存じのことと思います。
「なぜ?」「どうして?」という本当の胸の内というのは、本人にしか知りえないことであり、快楽とか逃避のためというものもあったかも知れませんが、それだけではない、いろいろな部分にはきっと人にも言えない様々な思いがあったのかも知れません。
覚せい剤って、そもそもどんなものなのでしょう?
歴史の中に埋もれてる?
「やってはいけないもの」として大麻などと一緒に語られる覚せい剤ですが、大麻などが自然界に存在する物であるのに対して、覚せい剤は自然界にはそのままでは存在しない、つまり人の手によって作られたものであるという事を知らなければなりません。
歴史をさかのぼると、およそ100年前に日本の薬学者が漢方薬でも使う麻黄(まおう)からエフェドリンという成分を抽出しました。
これは交感神経を刺激する効果があり、それを利用して咳止めなどに使われる薬です。
このエフェドリンからさらに、アンフェタミンとメタンフェタミンというエフェドリンよりも刺激性の強い薬物が生成されます。
(現在ではアンフェタミン、メタンフェタミンとも覚せい剤取締法で規制されています)
これらの開発時期というのは、1920〜1930年頃にあたり、第二次世界大戦の前になりますが、まだこの時代では薬物障害や副作用という考え方が成熟しておらず、アンフェタミンから吸入式喘息薬が作られると、本来の咳止め効果よりも疲労回復の効能、また食欲が減退することからダイエット効果などで注目を受けることになります。
日本では1941年にメタンフェタミンを「ヒロポン」という名前で製品にし、気分を爽快にして疲労を防ぎ、睡魔を感じさせない等の「興奮剤・能率増進剤」として富国強兵政策のもとで、兵士や工場労働者に配られていました。
このヒロポンは1950年頃まで、一般でも薬局で入手できるものでしたが、1951年に覚せい剤取締法ができてからは、密造の覚せい剤として地下にもぐり、製造そのものは比較的簡単な割に小売価格(末端価格)は数百倍になることからも、暴力団などの主要な資金源になっていったのは、周知のことと思います。
覚せい剤やドラッグと称されるもの
きちんと認識しないといけないのは、これらが本来の目的(鎮咳薬)の副作用として、人の神経に作用するということ。そして習慣性があり、常用を続けることで神経に障害を起こし、それが次の暴力的な犯罪につながる温床となることです。
俗に「廃人」という言葉がありますが、喜怒哀楽をなくした自分というものを想像したら、とても恐ろしくなりました。
決して甘い言葉にのらずに、ご自分の強い意志をもって、覚せい剤やドラッグの類には立ち向かってください!!
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