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#079 2015年11月 格安航空券の話

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「LCC」の話

先日、九州の実家に帰る機会があって、初めて「LCC」というのを使ってみました。 「LCC (Low Cost Carrier)」というよりは、「格安航空券」という方が分かりやすいかもしれません。

 

日本では1990年代の規制の緩和で、当初はスカイマーク、AIRDO(エアドゥー)といった低価格運賃の航空会社がJAL/ANA/JASで占められていた航空業界に参入してきました。

この2社はLCCとは区別されていますが、海外のLCCの経営に倣い、サービスの簡素化などで、低価格を打ち出しました。

当時も、福岡〜羽田線を乗ったことがありますが、上空で機内サービスが始まった時に、お茶のペットボトル一本を配られて、「なるほど、1時間ちょっとのフライトなら、これでもOKかな…」と思った記憶があります。

 

その後2000年代に入ると、外資系航空会社の参入が相次ぎ、特に2012年にはそれまで日本法人のなかった3社が新規国内参入となり、いわば戦国時代の様相になってきています。

※ 3社とは次の各社です

ピーチ・アヴィエーション (ANA+香港の投資会社)

ジェットスター・ジャパン (JAL+オーストラリアカンタス航空+三菱商事)

エアアジア・ジャパン   (ANA+マレーシアのエアアジア)

 

この中で、エアアジアはその後にANAが全株式を取得し、現在では社名を「バニラ・エア」としています。

この他に、中国の春秋航空を母体とする「春秋航空日本」を入れた4社が、国内線と国際線で日本の空を飛んでいます。

 

【 LCCでよく使われている エアバスA320 】

(バニラエアの機材)


LCC の特徴

LCCは、文字通りの低価格を実現するために、様々なコストダウンをはかっています。

 

機種:

統一した機種を使い、整備部品も共通化す ること、また機種ごとに必要な乗務員の訓練を統一機種にしてコストを下げる。整備設備を持たずに他社に委託したり、航空機の大量購入やリースなどでコストを下げる。

空港:

大都市の空港を避け、空港使用料の安い地方空港を利用したり、設備使用料の高いボーディングブリッジを使わずに、タラップで搭乗させる。また設備が簡素化されたLCC専用のターミナルを使う。(例:成田空港第3ターミナル)

機内:

大半のLCCでは、手荷物は一定量以上は有償で預かり、機内食や飲料は有料で販売されている。 座席はシートピッチを詰めて座席数を増やし、清掃しやすいように本革や合皮が使われている。 座席にテーブルはなく、雑誌や音響設備も備わっていない。

販売:

チケットはインターネットやコンビニ決済を通じて簡素化し、代理店手数料のかかる旅行代理店などでは扱わない。 キャンセル防止のため、キャンセル料100%という場合もある。

※ ただし、一番気になる安全性については、LCCといえども既存の大手航空会社とおなじ法律が適用されるので相違はありません。


気になるお値段

そこまでサービスが違うのだったら、一番気になるお値段はどれほど違うのでしょうか?

連休初日の運賃で比較してみます。(JAL=日本航空、JSR=ジェットスター)

JAL運賃:

41,390円(2015年11月21日)羽田〜福岡(終日同額)

JSR運賃:

22,990円(2015年11月21日)成田〜福岡(一日で一番高い運賃)

ジェットスターが成田発なのは、上記のコストダウンのために使用料の高い羽田を避けたためと思われます。

成田までの移動費用がかかるとしても、約半分の価格というのは移動の手段ととらえると、非常に魅力的であると言えます。

 

LCCはそのコストの構造上、ツアーに不向きであり、機内サービスも相対的には劣ります。

しかし、それを補って余りある魅力的な価格と言えます。

 

本当に大ざっぱな言い方になりますが、実際に乗ってみた実感としては、大手航空会社を観光バスに例えるなら、LCCは乗り合いバスの感じです。

ですからお仕事や帰省などで、慣れている方の利用が多いようで、文字通りの「価格こそが最大のサービス」という方には、効果的な交通手段になります。

(ちなみにこの前後での最安値は、2015年12月2日の5,590円です!!)

 

その代りに、ゆったりと余裕をもって乗りたい、やはり便利な空港を使いたい、機内サービスも受けたい、という方には、大手航空会社の早期予約を利用するという方法もあります。

(JALの同日の少席数で便指定ですが、25,000円前後での席もありました)

 

気になる方はインターネットで、各社がどこに飛んでいるかの航路と値段を検索されてみてはいかがでしょうか?


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