年の瀬になって、衆議院解散と総選挙がありました。
2015年の行く末を占う意味でも、大切な選挙となったと同時に、一票の持つ重みというのが、あらためて問われた選挙でもありました。
低迷を続けてきている日本経済の、抜本的な解決が問われる2015年になりそうです。
政治にも、経済にも、そして生活にも…、
私たちはしっかりと目を開けて、より良い暮らし向きとなるように、次の一年を過ごしていきたいものです。
来年は未年(ひつじ)♪
「前回は蛇の話を書いたなぁ…」と思ったら、書いたのは実は午年、2年前の記憶でした。
月日の経つのは、早いものですね。
干支を順番に見ていくと、このひつじ(未)というのはおそらく早い時期から、ヒトとの暮らしを始めた、家畜化された動物だったのだろうなと思います。
調べてみると、6000〜7000年前の新石器時代の遺跡から、野生のものとは異なる種類の羊の骨が発見されており、そのころから羊の家畜化が始まったようです。
この家畜化された羊の元になったのは、モンゴルからインド、西アジア、地中海沿岸へと分布していた種類がそれに当たるようです。
あらためて言うまでもありませんが、羊は主に羊毛のための家畜であり、一部は食肉にもなりますが、一般的には「角」を持ったモコモコの動物です。
木の芽や皮も食べるヤギと違うのは、羊は草だけを食べます。
そしてもう一つの特徴は「群れ」になりたがる習性をもち、暗いところから明るいところへ移動したがるという習性もあります。
この群れ行動は、さらに細かく見ると同じ種類(同族)同士で小さなグループを作る傾向にあるようです。
ご想像のように、羊は肉食動物のエサになりやすい動物です。
そのためにこの「群れ」をつくることは、たいへん大事なことですし、先導者に従うという性格ももっています。
ただし、先導者というのは必ずしも「ボス」ということではなく、「最初に動いたもの」が先導者になる場合もあるということです。
羊の最大の防御方法は、「逃げる」ということです。
ですからパニックが迫った時(つまり狼が襲ってきた時)には、ただひたすら逃げまくります。
家畜化する時には、ボス(先導者)になる羊を見つければ群れを率いやすく、しかしそれは同時にこのパニックの時には、未熟な羊飼いだと羊の群れを統率できないということでもあります。
さて、この羊ってやつは…
羊は交雑しやすいため、多種多様な種類の羊がいます。
家畜としては、皮や乳を取れるヤギの方が1000〜2000年ぐらい古いのですが、羊にはヤギにはない「羊毛」という利点がありました。
また脂肪を蓄えているという点で、山岳地帯や砂漠などで暮らす人々には、十分な脂肪分を取れる動物が羊しかいません。
ヤギや豚では、環境が厳しいため生きることが難しかったからです。
羊の毛から毛糸を作り、セーターなどを編むことはよく知られていることですが、この毛糸を作るための毛を取るには、家畜化された羊だからこそ、柔らかな「ウール」が取れると言えます。
羊の原種になったものは、この毛が二層になっていました。
カラダの表面を覆う上毛は「ケンプ」と呼ばれる
ゴワゴワとした硬い毛で、皮膚に近い部分に柔らかな下毛の「ウール」が生えていました。
現在家畜化されている多くの種類は、この下毛のウールだけを発達させるように改良された品種で、羊毛を取るために飼育されています。
ちなみにこの原種になった羊は、上毛が生え変わるため、それを使って紀元前からフェルトを作っていたと言われています。
日本では羊の肉は、生後一年未満を「ラム」、一年以上を「マトン」といって区別しています。
代表的な羊料理としては、北海道の「ジンギスカン鍋」などが有名ですよね。
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