AED
街角や公共施設、また一般のビルでもよく見かけるようになった「AED」ですが、今年で一般の人の使用が認められて10年になるそうです。
元来、心臓が止まった際に、電気ショックを与えて元に戻す医療機器なのですが、発作的な状況では一刻を争うこともあり、様々な場所におかれ、一般の人でも使えるようになっているのが特徴です。
このAEDは日本語で「自動体外式除細動器」といい、英語の「Automated
(自動) External
(体外式) Defibrillator
(除細動器)」の頭文字をとったものです。
ちなみに「Defibrillator」という単語は一般的な辞書ではなかなか見つけにくい単語で(おそらく医学用語?)、私たちはとりあえず「AED」とは「心臓が止まった状態の時に、必要に応じて電気的なショック(除細動)を与えて心臓の働きを戻すことを試みる医療機器」ということをまず覚えておけばいいのかと思います。
ただしその際に、この機械の優れたところは、「機器が自動的に解析を行っている」ということと、動作が自動化されているので、「一般市民でも使用できるよう設計されている」ということが特徴です。
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【 AED 】
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心臓が停まるって…
どういうことなのでしょう?
そして「除細動」って?
除細動は「細動を除く」と読めば、「細動」の意味が分かれば少しは理解できるのでしょうか?
これは「心室細動」が元の言葉になっています。
血液のポンプ役の心臓は、この心室を「規則的な」電気信号の連続で「動かしている」のですが、これが何らかの理由で「不規則」になった時に、「心室の細動」が起きるということです。
つまり、心臓を動かしている心筋が不規則に収縮し小刻みに震え(細動)、全身に血液を送れない状態(心臓が停まろうとしている状態)になっているのが「心室細動」です。
AEDがあるのは知っているけど…
そしてこの機械が、おそらく急な心臓発作の時などに役立つだろうということは知っていても、果たしていざという時に使うことができるのでしょうか?
この懸念は総務省の調査でも明らかで、目の前で人が倒れた時に、AEDを使って実際に電気ショックを与えたというケースはわずか
3.7% だそうです。
使い方は写真の箱を開ければ書いてあるそうです。
大まかな手順としては、 電源ボタンを押したり、蓋をあけたりすると、音声の指示が始まります。
AEDの音声:「パッドを胸に装着してください」
あとは音声の指示に従って胸をはだけて、パッドを備え付けのイラストのように体に貼り付けると、『心臓が止まった状態か』『電気ショックが必要か』を
AEDが自動で解析します。
AEDの音声:「ショックが必要です」
AEDの音声:「ショックを実行します」
AEDの音声:「オレンジボタンを押してください」
AEDの音声:「ショックが完了しました」…
たぶん、使い方はこれぐらい簡単なのでしょう。
使い方はともかく… 積極的に!!
もうひとつ思ってしまうこと、そしてそれの方が「AED
を使い切れないでいる」大きな理由と思うのですが、
「使っていい状態なのがどうかが分からない」
という、私たちの心理的なものがあります。
しかし、いろいろな文献を読んでいくと、この咄嗟のときに(当然こちらはパニック状態ですが)、AEDを使った場合の方が、命を救済できる確率が相当上がるということのようです。
そしてここが肝心なのですが、使っていいかどうかは「AEDが自動的に判断してくれる」という点で、まずは使わなければならないということです。
この時に119番(消防/救急)への連絡も、当然行っているとは思いますが、救急車の到着は平均して7分だそうです。
ですから到着までの間、消防の指示を聞きながらできれば、こちらも心強いものがあるかと思います。
AEDは、心臓マッサージとの併用で効果は上がるといわれています。
特に、AEDを用意するまでの30秒ほどの時間が、心臓は止まったままなので、この間に体に血液が送られない状態はよくありません。
このわずかなタイミングで助かる命があるなら、ためらわず使うようにということは、多くの医療関係の方から指摘されています。
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