21日は参議院選挙
今月の21日は参議院選挙になります。
6年任期の参議院ですが、改選は半数ごとに3年に1回行なわれます。
現在の参議院の定数は242人なので、半数の121人(比例代表選出議員48人、選挙区選出議員73人)が今回の選挙の対象になります。
6年任期の議員選挙を一斉に行わないのは、議院の継続性を保つことと、国会の機能の空白化を防ぐことを目的としているからです。
この3年ごとの参議院選挙は、解散のある衆議院とは異なり、半数ずつの改選は規則正しく行なわれます。
衆議院と参議院
日本の国会は両院制といって、衆議院と参議院からできています。
「両院制」の元々の意義は「様々に異なる民意(国民の意見)を反映する」ということに本質があります。
これは衆参両院が、各々で違う選挙で選出されて構成された議院があることで、様々な角度からの意見が反映され、より深い議論ができるということになります。
そもそもこの議院(国会)というのは、三権分立(司法/立法/行政)でいうところの「立法府」の役割をなします。
つまり、「法律を決める(作る)部門」ですね。
この両院制をとる国は世界中にもいくつもあり、共通した言い方をするなら、衆議院を「第一院」、参議院を「第二院」といいます。
アメリカでは第一院を「下院」、第二院を「上院」と言っています。
第二次世界大戦後に、アメリカGHQの最初の案は一院制の議会政治でした。
ところが一院制では多数を占める政党によって法律を作り、うまくいかなかった場合に次の選挙で他の党が多数を占めると、法律が変えられて国内の政情・治安が安定しないという懸念から、二院制となりました。
1回の選挙で優位性をとっても、第二院があるために自由に法改正を行なえないという制約は、法改正の迅速性を損なっても、多数の民意を反映させるという目的にはかなっているいるといえます。
参議院のホームページにも、次のように日本が二院制をとる理由が書かれています。
二院制の利点としては、
(1)
国民の様々な意見をできるだけ広く反映させることができる
(2)
一つの議院の決めたことを他の議院がさらに検討することによって審議を慎重に行える
(3)
一つの議院の行き過ぎを抑えたり(抑制)、足りないところを補ったり(補完)できる
ことなどがあります。
なお衆議院と参議院では、憲法によって「衆議院の優越」が認められています。
たとえば、ある法律案を衆議院が可決(賛成)して参議院に送り、参議院が可決すると法律になります。
この決議が一致しない…
つまり、衆議院が可決/参議院が否決(反対)の時には、両院協議会が開かれ、調整されます。
予算、条約締結、内閣総理大臣の指名については、この両院協議会で意見が一致しない場合は、衆議院の議決が国会の議決となります。
(予算/条約では30日以内、総理大臣指名では10日以内に参議院で議決されなければ、衆議院の議決が国会の議決になります)
ねじれ国会ってどういうこと?
法律案については、衆議院で可決し、参議院でこれと異なった議決をした場合に、衆議院が出席議員の3分の2以上の多数で再び可決すれば、法律となります。
ですから、先の衆議院選挙(衆議院解散→選挙)による多数派と、その前の定例の参議院選挙での参議院多数派との間で、衆議院と参議院がいわゆる「ねじれ(国会)」という状態になっています。
このねじれ状態によって、時間的な迅速性は損なわれることになります。
予算(30日)/条約締結(30日)、総理大臣指名(10日)は時間経過で国会議決となりますが、法案については、実質的に出席議員の3分の2以上がないと、廃案となってしまいます。
その反面、行き過ぎた法案については、過半数を占めるだけでは、国会通過ができないという、抑止という意味があるという面もあります。
今回の参議院選挙には、この「ねじれ」に関しても各党派の考え方が表れているといえます。
なによりも、日本の将来を決めていく国会であるわけですから、私たちも各候補者の主張や考えをしっかりと聞き、比例代表の記名については、各党派の方針や考えを見極めながら、国政をゆだねることのできる参議院議員を選出していきたいと思います。
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