時々今月のテーマを何にしようかと、悩んでしまう時があります。
そんな時は、いわゆるコーヒーブレイクということで、頭を少しすっきりさせて、あらためて話題を探そうとおもうのですが、こう暑くなってくるとさすがにホットコーヒーを飲む気にはなってきません。
ということで、アイスコーヒーをつくって、いまもそれを飲みながらこの原稿をかいています。
簡単なアイスコーヒーの作り方
1.
マグカップに通常の量のインスタントコーヒーを入れます。
2.
甘めがお好きな方は適量の砂糖もこの時に入れてください。
3. 次にお湯を3割〜半分程度入れて、スプーンでかき回して溶かします。
4.
最後に一杯になるまで氷を入れて、よくかき混ぜてください。
アイスコーヒーのルーツ
外国ではあまりアイスコーヒーはポピュラーな飲み物(飲み方)ではないと言われていたり、日本が発祥の地だとまで言い切る人もいるようですが、実際にはやはり暑い地方では様々な飲み方でアイスコーヒーは飲まれているようです。
たとえばサウジアラビアやイスラエルなどの中東圏、南米のチリ、東南アジアのフィリピンやタイ、ベトナムなどでは、ポピュラーなメニューのひとつといえます。
タイでは大量の砂糖にシナモンなどのスパイスを入れたり、ベトナムでは甘い練乳をスパイスの代わりに入れて飲んだりします。
ところが、以前にドイツ人の友達と過ごしたときに、彼はアイスコーヒーに対しては「正式ぽくない」という片言の日本語であまり好みませんでした。
欧米や西洋圏ではどうなのでしょう?
西洋での割りと浅い歴史
かなり俗説に近いとは思いますが、西洋人で最初にアイスコーヒーを飲んだとされるのは、19世紀中ごろに、ヨーロッパからは地中海を挟んだ対岸のアフリカで、傭兵として戦っていたフランス外人部隊だといわれています。
もっともこの時の飲み方は、冷たくしたコーヒーにリキュールと砂糖を入れた飲み方で、いまでは「マザグラン」というコーヒーカクテルに近いもののようです。
このマザグランとはアルジェリアの地名で、このコーヒーカクテルは濃厚な赤ワインとコーヒーをあわせたカクテルで、レモンスライスを添えてあります。
(ワイン+レモン入りのホットカクテル版を「マザグラン」という場合もあります)
しかし。この飲み方を持ち帰ったフランス外人部隊ですが、パリのカフェではあまりアイスコーヒーとして、普及することはありませんでした。
アイスコーヒー! 実は Iced Coffee!
正しい英語としては、Iced Coffee
が正しい発音になります(カタカナで書けば、アイスト
コーヒー)。
これは文字通りそのままに、氷を入れた(Iced)グラスにホットコーヒー(Coffee)を注いだものになります。
英語圏の一部では、アイスコーヒーと言ったらコーヒー味のアイスクリームが出てきたということもあるようです。
またこれは自分自身の体験ではあるのですが…昔に新宿の某喫茶店でアイスコーヒーのつもりで「アイス!」と注文したら、新人のウェイトレスさんが「おまちどうさまでした♪」とアイスクリームを持ってきた時には、言葉の至らなさに思わず苦笑したこともありました。
ヨーロッパのアイスコーヒー
ドイツやオーストリア、イタリア北部、また北欧などでは、ホットコーヒー(またはアイスコーヒー)にアイスクリームを入れただけの飲み物、あるいはアイスクリームとホイップクリームも入れた飲み物(日本のコーヒーフロートみたいですね)があり、夏場のメニューとしてカフェやコーヒーショップでポピュラーなメニューになっています。
これが地中海に面した南ヨーロッパになると、アイスクリームを入れないままのアイスコーヒーもあるのですが、ギリシャあたりでは、ホットコーヒーもアイスコーヒーも泡たっだものが好まれ、フラッペという飲み物に人気があるようです。
作り方はシェイカーや泡だて器さえあれば簡単にできそうなので、書いておきます。
フラッペ(カフェ・フラッペ)の作り方
1.
インスタントコーヒーの粉と砂糖を入れた器に少量の水を入れ、シェイカーや泡だて器で泡立てる。
2.
水を少なめにするのがコツです。空き瓶で代用もできます。
3.
泡立ったコーヒーをマグカップにあけ、できればそこにクラッシュアイスをを入れれば出来上がりです。
4.
お好みによって、アイスクリームを浮かべても美味しく飲めると思います。
アメリカのアイスコーヒーは?
暑い季節に、やはり熱いホットコーヒーを飲みたくないのは共通です。
そんな夏場にコーヒーの消費量が落ち込むのは当然ですが、その打開策としてアメリカのコーヒーメーカーが、20世紀の初め頃にホットコーヒーを冷やして飲む飲み方を提案したこともありましたが、これも定着しませんでした。
アメリカでは夏場の冷たい飲料としてはむしろコーラやジュースなどが文化的に多数ありましたし、またアイスクリームもアメリカ文化の象徴といえます。
そんなアメリカでも1980年代以降で、スターバックスに代表されるようなコーヒーチェーン店の展開で、多くの人にアイスコーヒーが認知され、広く広まるようになってきました。
日本のアイスコーヒー
日本の歴史的な経緯を考えてみると、アメリカ、イギリスからの文化的な伝来が多く、あとはフランスのワイン、ドイツのビールなど、断片的にしか知識が入ってこなかったせいもあり、海外のコーヒーの飲み方までは十分に知りえなかったといえます。
ですから、諸外国のアイスコーヒー事情とは別のところで、独自に日本のアイスコーヒー文化が育つ背景もありました。
日本ではやはり20世紀の初め頃(大正時代)にアイスコーヒーは出始めましたが、本格的に一般化したのは昭和30年代と言われています。
むしろ日本人にはアイスコーヒーよりも「コーヒー牛乳」の方が、ぐっと馴染みが深い飲み物と言えます。
コーヒー牛乳は1920年(大正9年)に守山乳業から発売されました。
駅弁が10銭の時代にコーヒー牛乳が5銭という値段にもかかわらず、大人気商品となって飛ぶように売れたと言われています。
今月はアイスコーヒーを目の前において、思いつくまま書いてみました♪
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