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#119 2019年9月 アマゾンで行方不明になった男性

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台風15号が、思いがけず千葉県を中心に停電と断水という、大きな爪痕を残していきました。

房総半島の南部では長ければ今月いっぱい復旧に手間取りそうな気配です。

ちょうど4年前の台風18号が、鬼怒川流域を中心に茨城の常総市に大水害を起こしたことを思い出します。


アマゾンで行方不明になった男性

この夏(現地では一応冬ですが)、ブラジルを中心にアマゾンの森林が大規模な山火事に襲われました。

自然にあふれるアマゾンは、一方では訪れる観光客も大勢います。

アマゾンの中心部になるボリビアのマディデイ国立公園を訪れる旅行者も大きな期待で訪れ、現地のツアー業者も彼らに安全な冒険を約束しています。

 

そんなマディディ国立公園内で、チリ人男性のマイコールさんが消息を絶った、という連絡が入りました。
彼が最後に目撃されたのは前日の夜8時半頃で、キャビンの前の階段に座っている姿が最後です。
熱帯雨林ツアーに一人で参加していた彼は、キャンプ場からいなくなり、追跡の手掛かりがないということです。

このキャンプ場は、川の近くでボートでしかたどり着けない場所で、一番近い町からも何キロも離れています。

彼が行方不明になった日の午後、一行は熱帯雨林を探検してキャンプに戻ってきました。

その時の彼の様子は「ちょっと変な様子」で「普通の顔に見えなかった」ということをツアーの責任者は言っています。

そんな彼の様子を気にしつつ、夜になると一行は森の神の儀式「パチャママ」に招かれました。

それは、母なる大地であるパチャママが、森に入る許しを与えてくれたことに、コカの葉、ろうそく、タバコを使って感謝を示す地元の伝統の儀式です。

彼にもこの儀式への参加を頼みましたが、彼はそれを断りました。

その後に、ガイドが彼の様子を見に行った時には、彼はどこにもいませんでした。

ツアーの責任者は、大慌てで朝の5時まで探しましたが、何の手がかりも見つかりません。


アマゾンの不思議な話

ボリビアの低地の人々の自然観は、「熱帯雨林は強い力を持つ場所」で、善悪の両方の力が働く神秘的な存在と言われます。

現地人の責任者は、「彼はパチャママの気分を害した」「なぜなら彼は儀式に参加したがらなかった」からだと言います。

パチャママに敬意を払わない者は、パチャママがデュエンデといういたずら好きの妖精に命じて正気を失わせ、別の場所に隠してしまうという信仰があります。

 

困ってしまった責任者は、有名な夫婦のシャーマン(祈祷師)を呼び、彼を呼び戻してほしいと頼みました。

「強力な木の精であるマパホのエネルギーをデュエンデが操って彼を隠した」

「彼は私たちの手の届かないところにいる」とシャーマンが告げました。

「しかし…」

「複雑な儀式で償いを遂げれば、彼の魂を呼び戻せるだろう」

「そうやって初めて彼は森の中で見つかるはずだ」

そこから一週間、毎日シャーマンは祈祷を続け、捜索隊も区域を変えながら探し続けました。

しかし、一向に彼の手掛かりがつかめません。

そして、みんなが疲れ始めた頃でした。

捜索隊が、彼の靴下の片方を熱帯雨林で見つけました。

シャーマンにとっても本人の所持品は、彼の魂につながる窓口で、霊的な思いが届き、現実へと呼び戻す手段になります。

そして二晩ののちに「償いが受け入れられ、彼は近く解放されます」と、シャーマンは告げました。

 

翌朝、川沿いから叫び声が聞こえてきました。

「行方不明者を見つけたぞ!」

そこは、キャンプから2kmと離れていないところで、彼は大きな棒を杖にして木々の間に立っていたということです。

9日間も彼が衰弱しきらず、命拾いしたのは、サルが助けてくれたからだと言います。

サルの群れの後をついていくと果物を落としてくれたり、水場に連れて行ってくれたということです。

姿を消した晩(儀式に出ていなかった最中)に衝動的に彼は「この熱帯雨林から出たい!」と思い、それを抑えることができないまま「走り出していた」と彼は明かしました。

そして、サンダルも携帯も懐中電灯までも邪魔に思って捨て、走りに走った時に後悔の念が生まれ、しかし戻ろうにも戻れなくなっていたと言います。

デュエンデが一時的に彼を惑わせ、別の次元に誘い込んでしまったと現地の人々は信じています。

すべての兆候がそれを示しているとのことです。

 

この話まぁ…、閑話休題ということでご紹介します。

ただ、そんな言い方でデュエンデに惑わされない様には願いますが…。


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