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#109 2018年8月 気象情報(天気予報)

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「今日の最高気温は 32℃です」と気象情報で聞くと、「ああ、少しは涼しいかな…」と思ってしまうほど暑い日が続いています。

東京にいて、岐阜の多治見市や埼玉の熊谷市の40℃を超える気温というのは想像もできません。

もちろん、32℃ぐらいでも熱中症には注意です!

室内にいても熱中症対策のために、積極的に冷房を使うようにしましょう。


そういうことか!

いまではNHKも民放も含めて、気象情報は気象予報士の方が担当して放送をされています。

会話(話し言葉)としては、「天気予報」と言っていますが、放送などでは「気象情報」が定着しています。

これはおそらく「予報」と言ってしまって外れた時に苦情が入ることを懸念した言い方なのかなと思います。

そして気象予報士の方たちのしゃべり方を聞いていると、「天気が悪い(悪くなる)」ということも言わないようです。

 

ああ、そうか!

これだけ日照りや暑い日が続いていると、「天気が悪くなる(=雨になる)」という言葉は正しくないな、一雨降ってくれればいいなと、私たちも自然に思うわけで、「悪い天気」なわけではありませんね。

 

同じように、農作物の種類によっては梅雨時に雨が少ないと、収穫時に出来の悪い野菜になってしまうので、「良い天気」というのは、適度に日照があって、適度に雨が降るのが理想と言えるかも知れません。

 

でも、お店をやられている方には、客足が遠のいたり、店の前の水はけを心配したり、やっぱり「悪い天気」ととらえられます。


天気予報のできるまで

気象庁の長官も務められた窪田正八さんという気象学者の方がいらっしゃいました。

 

残念ながら窪田先生は1997年にお亡くなりになっておられますが、現代に通じる数値計算に基づいた気象予報の基礎を作られました。

その窪田先生の論文に、気象情報(天気予報)ができるまでを図にしたものがあったのでお借りして載せてみます。

 

この図自体が載っていたのは1981年の論文ですが、観測技術の向上や予測理論の変化はあっても、基本的な流れは現在でも通用するものと言えましょう。

 

 

当時も今も気象庁では、北は北海道の稚内から南の沖縄の与那国島、東は南鳥島までの広い地域の、気象台、測候所、観測船などで観測した気象データを気象庁に集め、大気の状態を解析し、天気予報や気象情報として社会に提供しています。


振り返ってみると

100回を迎えたこのコラムですが、その中でお天気や気象に関するテーマを勘定すると、1割以上の10数回ほどお送りしています。

言い換えると、それだけお天気や気象のことを話題にしないといけないほど、今までの経験とは違った気象状況がこの10年間で増えてきていると言えます。

 

背景には、地球の温暖化の影響や気がつかない自然の変化が、身近な現象として猛暑日やゲリラ豪雨、それに起因した土砂崩れや水害などを起こし、私たちの社会生活に影響を与えていると言えます。

大自然が相手の話なので、個人の力も行政の力も、事前の予想を上回る脅威の前には、なす術がありません。

 

水害を最小限に抑えるための スーパー堤防 なども、当時の想定される被害予想をもとに設計され、このペースでさらなる異常気象が起きれば、防げるはずのものが防げないということがないとは限りません。

現在を生きている私たちが、次の世代、その次の世代に、地球が壊れないようにどうやって引き継いでいくか、一人一人が、国も、世界も、いまや真剣に考えていかないとならない時代に差し掛かってきてるようです。

 

※ 水害やスーパー堤防については #077 2015年9月 こんな水害は見たことない…!! もご覧ください。


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