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号外 2016年2月 旧制中学と現在の中学校

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# 093 2017年4月 夜間中学校 も併せてご覧ください。

旧制中学と現在の中学校

現在の中学校は、小学校6年間のあとに3年間通うことになる中等教育機関で、ご存じのように中学校までが義務教育とされています。

この制度が整ったのは1947年(昭和22年)で、やはり戦争終結による日本の一大転換の一環としての学制改革でした。

 

それまでの中学校は一般に旧制中学と呼ばれることがありますが、この旧制中学校というのは、「男子」のみが進学でき、女子は高等女学校か実業学校に進学します。

どちらも国民学校初等科(6年制=現在の小学校に相当)を卒業した後の話で、初等科の後には国民学校高等科(2年制+特修科1年間)へは男女とも進学できました。

 

ここが少し複雑で、国民学校は特修科を含めて3年間なのですが、旧制中学では5年間であり、同じ国民学校初等科卒業で入学できる高等学校は、尋常科4年+高等科3年の7年間と、進んだ学校によって通う年数が異なります。

そして旧制中学校4年生で高等学校高等科の1年生に編入することもできました。


さてその現在の中学校

中学校といえば、通常の授業が行われている学級のほかには、身体に障害を持つ子が通う特別支援学級があるというほどの認識でしたが、このほかにも一部の中学校には、主に帰国生徒などを対象に国際学級・帰国者学級・帰国生徒学級などの名前で語学に配慮した授業を行なっている学校もあります。

また、東京のように人口の多い所では同じ年齢の生徒で一学級が構成されますが、過疎の地域になると2学年を一つの教室にした複式学級があるところもあります。

 

そして、耳にされた方もいらっしゃると思いますが、「夜間中学」というものもあります。

学校の授業形態では、二部授業というのを設けることができ、これは生徒数に対して校舎・教室が絶対的に足りないなどの事情で、時間帯を二つにわけて授業を行なうことの意味です。

たとえば、日本国籍を有していない人、事情があって学齢を過ぎてしまっている人、文字の読み書きが困難な人など、本当なら小学校からの勉強が必要なのですが、現在の小学校の受け入れ体制ではそれが難しいため、夜間中学がその受け皿になっているところがあります。

 

時としてそれは、日本語学校であったり、識字教室であったり、また初めて学校に来た人から、途中で学校にいくのを止めてしまった人など、学力にも大きな差があるため、習熟度に応じて教える内容を変えているという難しさもあります。

教育の機会均等という観点からも、就学弱者に対しての中等教育の中核として、中学校は大事な存在といえると思います。

 

子どもの成長というのは、自分が感じている時間の速さよりずっと早いもので、「歩いた」「幼稚園入園」「小学校」「遠足・運動会」…というのが、ついこの前の事のように思い出されてきます。

 

とは言っても、すぐそこに小学校卒業を控えたお子様をお持ちのご家庭では、「将来この子は…(どうなるのかしら)」という期待と不安の中で、中学校の入学式をお待ちのことと思います。


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