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#032 2011年10月 ハロウィンがなんでかぼちゃ?

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ここ数年、ちょっと気にかかっていることといえば、この季節になるとハロウィンの赤いかぼちゃをよく街角で見かけるようになったことですね。

ちょっと前までは、クリスマスはメジャーなイベントでしたが、バレンタインデーやホワイトデーはまだそれほど盛んではなかったようにも思います。

ですから「義理チョコ」という言葉もなかったわけですから、その点では平穏に過ごせていたとも言えますね♪

大人になってから、クリスマスもバレンタインデーもそれが本来はキリスト教の記念日に沿った行事の日であり、厳粛な日だと分かってきましたが、成長の真っ只中にあった日本では、たくましく商戦の中で生まれ変わって、わたし達の生活に浸透してきたんだなぁと実感しています。


ハロウィンがなんでかぼちゃ?

ハロウィン(10月31日)の元をたどると、その翌日にあたる11月1日が「カトリックの諸聖人の日(万聖節)」といわれ、この諸聖人の日の旧称「All Hallows」の「eve(イヴ=前夜祭)」であることから、Hallowseveがなまって、Halloweenと呼ばれるようになったと言われています。

 

もともとハロウィンはケルト人の文化がスタートになります。

 

ケルト人とは中央アジアからヨーロッパに進出していった民族で、紀元の頃には他の民族の支配下に入ったりして、現在ではアイルランドやスコットランド、ウェールズといった地域の少数民族になった人々です。

 

このケルト人の一年というのが10月に終わり11月に始まるという暦になっています。

そのため一年の終わりである10月31日に行なわれていた収穫感謝祭が、カトリックを信仰する他民族の間にも行事(ハロウィン)として浸透していったものと言われています。

 

この一年の終わりになる10月31日の夜には、死者の霊が家族を訪ねたり、精霊や魔女が出てくると信じられていました。

これらから身を守るために仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いていましたが、これにちなんで現在では、かぼちゃの中をくり抜いた「ジャック・オー・ランタン (Jack-o'-lantern) 」の中に蝋燭をたてるようになりました。

 

が…古くはカブでこれを作っていたそうです。


カブからかぼちゃへ

コロンブスによって発見されたアメリカ大陸は、東海岸からその開拓の歴史が始まりました。

このときに多くのアイルランド人が移民としてアメリカに移住していきましたが、土地が変われば作る物も変わる…ということで、カブで作っていたジャック・オー・ランタンが、アメリカで生産性の高かったかぼちゃに取って代わるようになりました

 

最初にカブでジャック・オー・ランタンを作っていたわけは、生前に堕落した人生を送った死者の魂が、死後の世界に入ることを拒否された時に、悪魔からもらった石炭を火種にしたものが、転がっていたカブに宿り、それをランタンにしてさまよっている魂の姿だと言われていることから、このジャック・オー・ランタンをカブで作り始めたようです。

いまではこのジャック・オー・ランタンは、怖い顔やこっけいな顔を作り、それを怖がった悪霊たちを追い払うという魔よけの意味を持っています。

 

ハロウィンでは、魔女やお化けに仮装した子供達が近くの家を1軒ずつ訪ねては「トリック・オア・トリート(Trick or treat=イタズラにする?ご馳走をくれる?)」と唱えながらお菓子をねだって回ります。

この時に各家庭では、カボチャのお菓子を作って子どもたちの訪問を待ったり、また子供たちは貰ったお菓子を持ち寄ってハロウィンパーティーを開いたりします。

この時にお菓子をくれなかった家にはイタズラ(Trick)をしていいことになっていますが、そこは子どもの遊び=子どものイタズラという秋の楽しいイベントと言えます。


日本のハロウィン

最初に書いたように、最近は街角でもこの季節にハロウィンにちなんだものをたくさん見かけるようになってきました。

ハロウィンといえば魔女やコウモリ、ゴブリンといった仮装を思い出しますが、それが昨今のコスプレブームとラップしていることが思い出されます。

また、ディズニーランドも2000年ごろからハロウィンイベントに力を入れるようになってきたことも、日本でハロウィンがメジャー化する後押しになっているかも知れません。

 

ところが2005年頃からこの時期に、JR山手線や大阪環状線の社内で蛍光灯を外したり網棚を占拠したり、あるいは他の乗客とトラブルを起こすなどの事件が起きるようになってしまいました。

「トリック・オア・トリート(Trick or treat=イタズラにする?ご馳走をくれる?)」というのは一つの洒落であって、脅すための言葉ではないということを、大人も子どもも理解して楽しむうちはよいのですが、それで社会生活を阻害するのは当然いけないことです。

またいくらメジャー化したとはいえ、まだまだハロウィンの季節も楽しみも理解していない人もたくさんいますから、お互いを思いやって、見知らぬ人に迷惑を掛けるようなことがあってはならないと、心からお願いをいたします。


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