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#021 2010年10月 横浜のおまわりさん♪ 〜 APEC 〜 

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ここはどこ?

仲の良い友人が横浜にいるため、彼女からいろいろな話題を聞かされます。

先日も電話で話していたら、「今日は山口・島根・鳥取だったよ。先週は福岡や熊本の九州の人たちだった」と言うのです。

 

??????????

 

何のことかと思ったら、各都道府県の警察から応援の警察官が横浜に来ているというのです。

そうです、2010年の APEC が11月7日から14日にかけて開催されるのに先立ち、神奈川県警だけでは人手が足りず、全国の県警本部の応援で総勢14000人が増員されているそうです。

その応援のために来てくれている警察官の着ているチョッキ(ベスト)に刺繍されているのが各県警の表記。

友人曰く、「全国制覇できるかな・・・」。

そんなわけで、早速横浜にいってきてみました。


APECってそもそもなに?

英語で書けば、Asia-Pacific Economic Cooperationということになります。

直訳的には「アジア太平洋経済協力」。

 

あれあれ・・・?

 

よく耳にするアジア太平洋経済協力会議の「会議」に相当する言葉がありません

これは、APECが環太平洋地域での多国間の経済協力を進めるための非公式なフォーラム(集まり)であるためで、メンバーを法的に決めていないという緩やかな協力の枠組という性格があるためです。

ですから、英語の表記でもその名称に組織や会議を意味する言葉が含まれていないので、本当は「会議」をつけてしまうと適当でないからです。

 

そのため、最近なにかと話題の多い中国(中華人民共和国)と、多くの国から国家として承認されていない台湾(中華民国)という国レベルの参加だけではなく、中国香港(中国の特別行政区)も参加しており、「国」という表現ではなく、「エコノミー」という呼び方で交わされています。

 

このAPECの目的は、各々の地域での経済活動(ブロック化)にとどまらず、相互に開かれた協力関係でこのブロック化を抑えること。

そして、域内での貿易・投資の自由化を通して、多角的な自由貿易体制を維持・発展することを目的としています。

 

もちろん法的な世界貿易機関(WTO)のもとでこの発展を目指すのですが、最近では自由貿易協定締結の動きの活発化や、WTO内の通商交渉の停滞などによって、APEC自体の存在意義にも様々な意見があると言われています。


会議を無事に開催するために!!

11月の7日から14日にかけて、そういうわけで横浜に環太平洋(アジアパシフィック)の多くの要人の方たちが来日集結します。

そうなるとやはり恐れるべきはテロ行為。 特に2001年の9月11日は同時多発テロ事件として、崩れていくビルの映像とともに「アルカイーダ」というテロ組織の名前も記憶に残るところ。

また今年の9月に起きた、尖閣諸島沖の中国漁船船長の逮捕事件に端を発する中国との確執は、国内の不穏な動きにも注意しないとなりません。


横浜で見る「松1」ってある意味、新鮮!!

当初から14000人の増員ということが言われ、神奈川県警察本部も全国の警察に協力のお願いをしてきたことと思います。

 

公務員の業務と言ってしまえばそれまでですが、遠い土地から横浜にきて警備をする実態は、やはり生身の人間である警察官(おまわりさん)。

不慣れな土地に何週間も単身赴任されることを思うと、仕事のことはもちろん、生活面や集団での暮らしぶりなど不安なこともたくさんあると思います。

 

こちらに来ている方たちを見ていると、やはり若いおまわりさんが多い。

年代的にもおそらく結婚をされていたり、お子さんもまだ小さい方が多いのではないかと思うと、故郷に残してきたご家族と離れての、危険なお仕事をされる姿は、頭の下がる思いです。

 

西日本方面の県警のおまわりさんと話をさせてもらったら、なにしろ横浜や東京の人の多さにビックリということでした。

普段の県民のみなさんの数や、街の規模からすると、やはり横浜・みなとみらい地区での警備というのは並大抵のことではないようです。

県警によっては、パトカーや警備車両を用意しているところもあり、この時期は横浜の街で「福岡県警」や屋根に「松1(島根県警・松江1号)」と書かれた車両が走りまわっています。


おつかれさまです、おまわりさん♪

「おまわりさんは・・・富山県警の人?」 チョッキに書かれた名前を見てそう聞いてみたら、「富山県の方ですか!?」と聞かれてしまいました。

あいにく富山県の出身ではないのですが、その聞き返された時の顔が、懐かしそうにされていたのを見て、ガッカリさせちゃったなぁと・・・。

 

「選抜されてバラバラにこちらに来たので、どこの警察署から何人来ているのかは自分たちは知らされていないんです」というお話をうかがいました。

 

「まだこちらに着いてから3日しかたっていない。」

「街が広すぎて、どこを視ているのかまだつかみ切れない。」

 

やっぱり知らない土地での仕事は大変そうです。

なにより、「この辺は公園が少ないのでトイレに困る・・・w」ということをおっしゃっていました。

 

… ですよね〜。

制服姿のおまわりさんというのは、こちらもどうしても緊張してしまうもの。

一般の服装なら、トイレ目的で喫茶店でも公共施設でも、ちょっと拝借させてももらえますが、制服姿ではできることではありません。

「お店屋さんで気軽に「トイレどうぞ」と言ってもらえるのは、とても助かります!!」と、トイレを貸した友人も「少しは社会協力できたかな??」と言っていました。

 

折りしもこの原稿を書いているときに、富山県勝山市で老人ホームに野生のクマが立てこもるという事件が起きました。

普段ならそういう現場も見なければならないおまわりさんも、都会での警備というのは勝手が違うようです。


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