#103 2018年2月 A、B、AB、O といえば…

 

先月は寒波についてお話ししたのですが、そのすぐあとで関東に大雪が降りました。 それを一息つく間もなく、今度は北陸を中心に交通もマヒするほどの大雪となり、もう異常気象が異常というだけではなく、気候そのものが両極端になってきているような気がします。 かたやインフルエンザも300万人近い感染者数だとか…。

うがい・手洗いを励行して十分にご用心下さい!


★ A、B、AB、O といえば… ★

ご存知の「血液型」です。
「ウチはお父さんがA型、お母さんもA型なんで、私も弟もA型。でも妹はO型なんだよね…」というようなご家族でも心配はありません。

下の表のように、両親の血液型と違う血液型で子どもが生まれる可能性はあもます。

●:A因子 ◎:B因子 〇:O因子

まずは簡単な血液型の分類として一般的なABO型で説明すると、血液型は両親から一つずつもらうA/B/Oの組み合わせで決まります。
両親もまた、その両親(祖父/祖母)から一つずつ因子をもらっていますので、その血液型が決まっています。
それぞれの因子の力関係という言い方が分かりやすいかと思いますが、このA/B/Oのそれぞれの因子は、
A [●]とB [◎]は等しい力関係で、
O [〇]はAとBに対しては弱い関係になるため
●●[A/A]はA型になりますが、●○[A/O]も〇●[O/A]もA型になります。
同じように、◎◎[B/B]と◎〇[B/O]、〇◎[O/B]もB型になります。

これが両親からもらった因子の組み合わせが●と◎だった場合は、どういう組み合わせでも●◎か◎●で力関係が等しいのでAB型になり、両親ともにO型 [〇〇]の場合は、〇〇の組み合わせしかないので子どもはO型になります。

ここで「因子」という言葉で説明しましたが、実際は血液の赤血球の表面にある「A抗原」「B抗原」で分類されます。このどちらの抗原もない血液型はO型になります。両方ある血液型ならAB型になります。


★ ABO式血液型 ★

このABO式の血液型の分類は、いまから約100年前に発見された、最初の血液型の分類方法(赤血球による分類方法)になります。

A型は赤血球の表面にA抗原をつくる遺伝子があり、血漿(血液を構成するもの)の中にB抗原に対する抗体が作られます。
簡単に言うと、A型の人にB型の血液を輸血しようとすると拒否反応を示すということになります。
これは同じように、B型は赤血球の表面にB抗原をつくる遺伝子があり、血漿の中にA抗原に対する抗体が作られます。

それではO型とAB型の場合はというと、
O型はどちらの遺伝子も持たないため、A抗原・B抗原に対する抗体が作られます。

AB型はどちらの遺伝子も持つので、血漿中にA・B両抗原に対する抗体は作られません。

このABO式血液型のもとになる「フコース」というH物質(糖の一種)が抗原であり、それが赤血球にA抗原・B抗原として結合しています。

ところがまれにこのH物質がない血液型の子どもが生まれます。
その場合は、どちらの抗原も赤血球に結合できないため、両親の血液型に関わらず、「抗原の遺伝子を持たない血液型=O型」になります。


★ AB型同士の両親でもO型の子が生まれる ★

この血液型を「ボンベイ型」といい、名前の通り、最初にインドのボンベイ(ムンバイ)で発見されたことから、名前がつきました。
両親がともにO型の因子をもたなくても、子どもが「O型」で生まれるという非常にまれなケースが起きることになります。

ドラマの中の輸血シーンなどで、「この人はRh-のAB型だから普通のAB型じゃだめだ!」というような、希少種の血液型が話題になります。 この「Rh-(Rh+)」というのも、ABO式とは別の血液型分類になるのですが、日本人ではおよそ200人に1人が「Rh-」と言われ、さらにAB型はおよそ10人に1人ですから、「Rh-AB型」という人は2000人に1人という非常に少ない人数になります。(日赤赤十字血液センター資料)

ところがこのボンベイ型は桁違いに少なく、およそ100万人に1人となり、日本全体でもおよそ130人ほどしかいらっしゃいません。
(統計的な数値で実数は不明。ちなみに同じ計算だと「Rh-AB型」の人はおよそ6万5千人になります。)

O型は元々A・B両抗原に対する抗体を持つため、O型以外の輸血はできませんが、それに加えてボンベイ型の場合はH物質に対しての抗体もあるため、ボンベイ型→ボンベイ型以外の輸血はできません。

このボンベイ型のように通常はありえない血液型が子どもに出るケースとしてはシスAB型(ABとOの両親にAB型が出るケース)などもあり、裁判の原因になるケースもあるとききます。
そのためにも、一つの可能性として「あり得ない血液型もあり得る」ということは知っておいた方がよさそうですね。