#075 2015年7月 冥王星までどんだけ〜!!

 

太陽系の果てまで 〜

その青い空のはるかかなた、太陽系の一番外側とされる「冥王星」に、アメリカNASAの無人探査機「ニューホライズン」が最接近し、いままで多くの謎に包まれていた冥王星の鮮明な画像が送られてきました。

私たちに一番身近な天体といえば、月と太陽がなじみ深いのですが、月までの距離がおよそ38万km、太陽までがおよそ1億5000万kmになります。
この距離はなかなかピンと来ないのですが、地球一周が4万qですので、月までが地球10周分近い距離、太陽は地球3750周分(!)になります。

よくたとえられる「光の速さ(ちなみに電波も同じです)」でたとえれば、1秒間で約地球7周半(秒速30万km)といわれていますので、月まではわずか1秒強、太陽だとおよそ8分20秒になります。

学校の授業で、「すい、きん、ち、か、もく…」と暗記したのを思い出します。その9番目の「惑星」として多くの謎に包まれながらも、太陽系から一番遠い星として「冥王星」を覚えました。
この冥王星のことをもっとより知るために、アメリカ航空宇宙局(NASA)が2006年1月に打ち上げた無人探査機が今回のニューホライズンであり、9年半という長い期間を経て、やっと冥王星に一番近いところまで近づくことができました。
(とはいえ、今回送られた画像の撮影位置は冥王星から78万kmと、地球と月の距離よりも遠い位置ですが…)


冥王星って? 〜

冥王星は、海王星(8番目の惑星)の外側をまわる惑星として、1930年にアメリカのクライド・トンボ―によって発見されました。

当時の新惑星の発見方法として、2枚の撮影時刻の違う写真を丹念に見比べ、動きのある星を見つけるという方法で、1930年の2月に前月に撮影された写真との比較から、トンボーはそれが新惑星であること、そして海王星よりも遠いところにある天体であることを確信しました。

冥王星の直径は約2730qという、地球の月よりも小さな天体です。

それでありながら、直径1200qの衛生カロンを持っていますので、地球の潮の満ち干でさえも月の引力の影響を受けていることを考えれば、相互に影響を持ち合う「二重天体」とみなすことが出来ます。

これは、「宇宙戦艦ヤマト」の終末で敵の惑星「ガミラス」と目的地であった「イスカンダル」の関係が、まさにこの二重天体(二重惑星)のイメージになります。


あれ? 9番目の「惑星」を目指したのに… 〜

ニューホライズンが2006年1月に、「惑星」冥王星を目指して出発した年の8月に、国際天文学連合総会がチェコのプラハで開かれました。

この総会は、冥王星にとって不運な決定がもたらされました。

実は1992年以降に、飛躍的に天体観測の技術が向上して以降に、海王星の外側で、冥王星以外にもたくさんの惑星が発見されていきました。
その中でも2003年に発見された惑星は冥王星よりもわずかに大きく、ここで冥王星を惑星に勘定していいのか? いや、そもそも「惑星」の定義をきちんと決めなくてはならないだろう? という議論の末に、「準惑星」という新しいカテゴリーに冥王星は分類されることになりました。

これは単純に惑星の大きさの問題だけではなく、冥王星だけがほかの太陽系の惑星たちとは違う軌道で、太陽の周りを周回しているという特徴もあります。


普通に考えると想像できない世界 〜

その太陽の周りを一周(公転)するのに要する時間は、地球時間で250年と非常に長く、一日(自転)に要する時間は約6日半かかります。

先ほど、太陽と地球の距離が1億5000万km(光速で8分20秒)と申しましたが、冥王星と太陽の距離はその30倍から50倍に及びます。

「30倍から50倍」という曖昧な言い方になるのは、冥王星が太陽の周りを回る軌道が真円ではなく楕円を描いているためで、250年かかる冥王星の1年の間には、内側の海王星よりも更に太陽に近いところまで入り込むこともあります。

光の速さで太陽までが約8分としても、冥王星までは4時間から6時間半かかることからも、冥王星の遠さというものがイメージできます。

冥王星の表面の温度は−220度と非常に低く、これは想像を絶した氷の世界といえます。
ただし、地球のように「水」が凍ったものとは限らず、窒素や水素などが凍ったものと考えられます。
それにしても、よくぞこれほどの所まで到達できたニューホライズンが、また私たちに新しい夢を見せてくれることを大きく期待しています。