#055 2013年11月 なんだかなぁ… 食品偽装

 

 なんだかなぁ… 食品偽装 〜

大阪のホテルでの、メニューと実際の料理の材料が違っていたことを発端に、次から次へという感じで食材を偽っていたという企業が続出しました。

食用に不適格な材料を使っていたわけではなく、基本的には同種の食材なので、健康には影響がないと思われがちですが、実は違う食材を使った場合に、先々月にも少し書いた
アレルギー」の問題も考えないといけません。

特に特定の食品にアレルギーのある方には、正しい表示をあてにして料理を頼むことになるので、確認をとることも必要になってくるのかも知れません。


 一例をあげると… 〜

たとえば、「ジュース」といった場合に、これが果汁100%のものに限るということは、多くの皆さんもご存じのことと思います。

それではレストランのメニューで「フレッシュジュース」とあった場合に、それはどんな意味をもつのでしょう?

この場合は、「搾りたて」であることが条件になります。

ですから「瓶詰め」のジュースをコップにあけたものは、「フレッシュジュース」とか「生ジュース」という表現はご法度になります。

次に「生クリーム」の表示はどうでしょう?

生クリームとホイップクリームの決定的な違いは、生クリームが「乳製品」であることに対して、ホイップクリームは「植物性の原料」から作っているということです。

一般的には生クリームの方が高価なので、生クリームをホイップクリームと表示はしないと思いますが、意味の区別がついていない店員さんになれば、乳製品アレルギーの方が間違えてホイップクリームと表示された「生クリーム」を食してしまう可能性もあります。

シャンパンというのは、フランス/シャンパーニュ地方産に限定された一定の条件を備えたものに使われる名称で、同じような炭酸を含むワインは、「スパークリングワイン」として区別される「発泡酒」になります。


 食品偽装の傾向 〜

もうお分かりと思いますが、これらの偽りの背景には、「安価な食材を高価に見せたい」という思惑が見え隠れしています。

普通のジュースよりは「フレッシュジュース」、スパークリングワインよりは「シャンパン」と表示しながら、価格を抑えたり、セットメニューなどでは全体のコスト(材料費)を調整して、消費者に求めやすくなってきた代わりに、より高品質に見せようという気持ちが、「うっかり」メニューを直すことを忘れさせているのかも知れません。


 ちょっと理解が必要な表示 〜

これらのように明らかに内容が異なれば、「違うものだね」ということで理解も容易いのですが、ちょっと頭をひねったのが、「和牛(わぎゅう)」の意味です。

まず最初に知っておかないといけないことが、「和牛(わぎゅう)」という言葉は、「国産の牛」ではないということです。

和牛というのは「品種」の総称で、

  • 黒毛和種/褐毛和種/無角和種/日本短角種 の4種

  • この4種を交配した牛

と定められており、日本国内で生産された牛という意味は含んでいません。

もしこの品種を外国で育てた場合、これを「和牛」としてもいいものでしょうか?

そこでガイドラインがもうけられ、

  • 「国内で生まれ育った牛」
         =「和牛

  • 「上記の4種+これの交配種で外国で生まれ育った牛」
         =「わぎゅう/ワギュウ/WAGYU 等」

と決めました。

そういう意味では、レストランのメニューでオーストラリア産の「わぎゅう」を、「和牛」と表示してはいけないことになります。

ただしスーパーマーケット等の売り場では、別の法律で原産地の表示が義務付けられているので、「国産黒毛和牛」とか「和牛○○産」というのが、国産和牛の手掛かりになります。


 ビーフステーキ 〜

高級料理の代名詞のようなビーフステーキ(ビフテキ)。

「そもそも1枚の牛肉の切り身を焼いたもの」と一般的に思われている = 良質な肉を使っていると思われています。

ですから、牛脂を注入した「加工肉」や、肉片を集めて成型した「成型肉」での「ビーフステーキ」は、やはり表示としていけないことになります。

こちらもスーパーマーケットの売り場では表示義務があるので、お買い物の時には表示をご覧になってみてください。

ここに挙げた食材は毒性のあるものではないのですが、アレルギーのある方には注意が必要なケースもあるので注意です。